昆虫を指標とした里山広葉樹林の評価手法及び管理手法に関する調査

課題名 昆虫を指標とした里山広葉樹林の評価手法及び管理手法に関する調査
研究機関名 山形県森林研究研修センタ-
研究分担 森林研究研修センタ-
研究期間 完H13~15
年度 2003
摘要 目的:朝日村及びその周辺で発生しているナラ類集団枯損に関する被害発生・拡大様式を解明して実用的な防除技術と被害林の復旧技術を開発する。研究の要約:ナラ類集団枯損被害は、平成元年以来被害が終息せず、近年は増加拡大傾向にある。本年は被害量が昨年に次いで多く(被害本数合計25,473本、実損被害面積合計163.71ha)、昨年被害が発生した戸沢村で被害本数が74本から285本に増加した。また、海岸林のカシワ等が枯損した温海町では新潟県の被害の影響を受け、661本から8,247本に急増した。加えて鶴岡市湯野浜の海岸林のミズナラとカシワが枯死し、被害は温暖な海岸林に点在するミズナラ等を伝って急激に北進する可能性も出てきた。現在被害は、ミズナラの密度が高い朝日村方面と,コナラの密度が高くミズナラが点在する鶴岡市方面、海岸林地域、内陸地方に分かれて被害が拡大している。キクイムシ類用殺虫剤として農薬登録のある殺虫剤(スミパイン乳剤50倍液)と接着剤(水溶性接着剤JA-7562)を利用した予防法の試験は、(1)殺虫剤+接着剤区、(2)殺虫剤区、(3)接着剤区、(4)無処理区とし、各試験区健全木60本を供試数で実施した。処理3年間の枯死木数合計は、順に、5,10,4,39本であり、枯死率(平均値(95%信頼区間))は順に、8.3(2.8~18.4)、16.7(8.3~28.5)、6.7(1.8~16.2)、65.0(51.6~76.9)%であった。枯死率は無処理区に対して有意に低いが、すでに開発されたビニールシートを健全木に巻付ける予防法は枯死率が7.2(3.0~14.3)%であり、(1)殺虫剤+接着剤区と(3)接着剤区がこれに匹敵する効果が認められた。両者の功程と経費を試算した結果、2名1組で(1)は150本/日処理、89円/胸高断面積1000cm2、(3)は221本/日、108円/胸高断面積1000cm2であった。実用的には、経費の安価な(1)殺虫剤+接着剤処理が有利である。これらのことから、樹幹の地上0~150cmにスミパイン乳剤50倍液、150~200cmに水溶性接着剤JA7562の50%を散布する方法は、健全なナラ類を枯死させず、安価で作業が容易な予防技術であることが明らかになった。また、樹幹注入による予防方法については、既往の防カビ剤(モーリー研究所製MS-1)を200倍に希釈して、健全なナラ類に注入して2年間経過観察をしているが、現在のところ枯死は発生しておらず、ナラ菌に対する予防に活用できる可能性がある。 今後の問題点:殺菌剤等を利用した理化学的で確実な予防方法の開発と、虫の積算温度とナラ菌の定着樹種を考慮した、被害区域の予測技術について検討する必要がある。
戦略 森林・林業・木材産業
専門 森林生物
部門 林業
カテゴリ 病害虫 農薬 防除 予防技術

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる