課題名 | みやぎの環境にやさしい農産物栽培技術体系の確立-野菜編-(II期) |
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研究機関名 |
宮城県農業・園芸総合研究所 |
研究分担 |
園芸環境部,情報経営部 |
研究期間 | 継H15~18 |
年度 | 2004 |
摘要 | 地域有機資源の循環をすすめ,土壌,水質そして農産物にやさしい持続的な栽培栽培の定着を最終目的とした。第I期では有機質肥料を用いた施肥法と農薬節減 防除法の個別技術の確立を図り,施肥技術では有機質肥料を用いてほぼ化学区並の収量が得られ,病害虫については,天敵,作物非接触剤,物理的防除の利用により化学合成農薬を削減できた。今後はこれら個別技術の現地実証等による技術の高度化と速やかな普及,さらに有機質肥料施肥法と農薬節減技術等を組み合わせた農薬節減・化学肥料節減栽培等の体系化を今後目指す必要がある。 化学肥料節減栽培農産物等の野菜を生産するための体系化試験,農薬節減栽培農産物等の野菜を生産するための体系化試験,農薬節減・化学肥料節減栽培農産物等の経営評価。 ホウレンソウでは有機質肥料を組み合わせ,無機化窒素量として1作あたり10~15kg/10a施用した化学肥料不使用栽培でも化学肥料と同等の収量が得られた。生葉の硝酸濃度は、同一株重で比較すれば有機質肥料区が低く,また収穫後もしおれにくかった。生葉硝酸濃度の低減化はと下層に硝酸が多い条件下では困難であった。イチゴでは有機質肥料を組み合わせ,有機質液肥を用いた化学肥料不使用でも化学肥料と同等の収量・品質が得られた。また地中加温により,化学合成農薬を使用しないで土壌のセンチュウ密度を抑制できた。トマトでは有機質肥料を組み合わせ,有機質液肥を用いた化学肥料不使用,化学肥料節減でも化学肥料と同等の収量・品質が得られた。品質では有機肥料区の糖酸度が高まる傾向が見られた。県内に流通してる堆肥は多様であるが,現物の堆肥に含まれる無機態窒素を差し引くと,無機化窒素量は堆肥の種類によらず1~3kg程度/1tと考えられた。トマトでは無機銅剤や作物非接触製剤の利用により農薬節減栽培が可能と考えられた。また天敵,微生物殺菌剤が有効であった。ボトキラーダクト処理は葉かび病と灰色かび病に有効であった。小型還流ファンは化学農薬削減に有効であった。ナスでは害虫に対する天敵,灰色カビ病への微生物殺菌剤の防除効果を確認した。15分間間欠ダクト送風によりうどんこ病,すすかび病の抑制が可能であった。経営評価では労働力,資材費は通常よりも多くかかるものの,収量は通常と同程度かやや少ない。販売単価は,同程度から1,2割高い。除草と肥培管理に時間がかかる。 有機質肥料を用いた施肥法の高度化と合理化(収量向上、土壌負荷・野菜の硝酸濃度低減等),有機質肥料の特性把握と簡易な使用基準の策定,コストの低減化,防除技術と施肥技術の体系化と現地実証と経営評価が必要。 |
研究対象 | 共通 |
戦略 | 園芸,環境 |
専門 | 土壌肥料,病害,虫害,経営 |
部門 | 野菜 |
カテゴリ | 病害虫 肥料 土づくり いちご うどんこ病 害虫 経営管理 コスト 栽培技術 収量向上 除草 施肥 土壌管理技術 トマト なす 農薬 肥培管理 防除 ほうれんそう |