リンゴ品種の単植化に向けた新しい結実安定技術の開発

課題名 リンゴ品種の単植化に向けた新しい結実安定技術の開発
研究機関名 宮城県農業・園芸総合研究所
研究分担 園芸栽培部
研究期間 継H16~18
年度 2004
摘要 近年,無登録農薬の使用を端緒に農薬取締法が改正され,生産現場では農薬のドリフト(飛散)が問題となっている。このため,従来行われてきた経済品種同士を相互に授粉樹として混植することが困難となってきている。すなわち,晩生品種と早生品種を混植した場合,通常は認められている9月上旬の病害虫に対する農薬の特別散布が早生品種の収穫期に当たるため実施できない状況が発生している。このため,単一の品種を栽植し,異なる品種の混植を行わない「単植化」に対する生産者の要望が以前にも増して強まっている。単植園では結実を確保するためには人工授粉が不可欠であり多くの労力を必要とする。さらに,人工授粉は結実安定技術であると同時に,選択的に授粉を行うことで生産に不要な結実を制限する技術であるのに対し,訪花昆虫による結実安定技術は,時に過剰な結実を招き,摘果作業の増大や隔年結果をもたらすことになる。そのため,経済品種の適正な結実と摘果作業の省力化が図れる授粉専用品種による結実管理法を開発する必要がある。
授粉専用品種への摘果剤利用方法,授粉専用品種への夏期剪定方法,授粉専用品種の開花特性調査。
ミクロデナポンの摘果効果が認められたクラブリンゴはMakamic,RedBud,Sargentの3品種であり,特にSargentに対する効果が顕著であった。'ふじ'の散布時期と同時期の散布で摘果効果が認められたのは,Sargentだけであった。一方,ほかの品種で摘果効果が認められた5月11日の散布ではふじの果径はまだ小さく,'ふじ'と同時防除は難しいと考えられた。授粉を終えた後に開花した枝を強く切り返すと,切り返さない枝よりも腋花芽率はやや低下するものの,50%を超える花芽率であり,次年度の授粉樹としては利用可能ではないかと考えられた。また,2年苗の定植時に強く切り返しても多くの品種で腋花芽が着生し,定植翌年から授粉樹として利用可能と考えられた'ふじ'の授粉樹として腋花芽の着生率が高く,10cm当たりの花芽数と側花数が多い品種は,OrmistonRoyとRedBudと考えられた。RedBudはやや枝長が短いので剪定方法などで樹全体の花数を増やす方法を検討する必要がある。
安定した腋花芽着生を目指すために,授粉専用品種に摘花剤を散布し,全摘果の可能性を探る,開花後の枝の剪除により,新たに発生した新梢の腋花芽着生性を検討する,授粉専用品種として有望と思われる品種の腋花芽着生性,隔年結果性を検討する。
研究対象 リンゴ
戦略 園芸
専門 栽培生理
部門 果樹
カテゴリ 病害虫 害虫 栽培技術 収量向上 省力化 農薬 品種 防除 りんご

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