課題名 |
ふくおか安心農産物認証制度を支援する減農薬防除体系の確立
(1)施設果菜類における50%減農薬防除体系の確立
(i)トマト、ナスの減農薬防除体系の確立 |
研究機関名 |
福岡県農業総合試験場
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研究分担 |
病害虫部
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研究期間 |
継H15~17 |
年度 |
2004 |
摘要 |
促成栽培トマトについては、トマト黄化葉巻病の媒介虫シルバーリーフコナジラミの薬剤感受性低下が懸念されるため、殺虫剤に替わる防除法として、紫外線カットフィルムの展帳や防虫ネットの効果を検討した。その結果、紫外線カットフィルム(スカイコート5UVカット)の天井部の展帳は、媒介虫とウイルス病の発生を抑制したが、感染圧が高い条件下では、その効果は不十分であった。一方、目合い0.4mmの防虫ネット(サンライトP)のハウスサイド部と谷開口部設置は感染圧が高い条件下においても高い防除効果が得られた。また、供試した防虫ネットは繊維が細く、通気性が従来の1mm目合いと同程度に改良されており、ハウス内気温の上昇が軽減されることから実用性が高いと考えられた。トマト灰色かび病に対するボトキラー水和剤のダクト内投入散布の防除効果を検討した。同剤15g/10a/日の毎日1回暖房機ダクト内投入散布を慣行薬剤防除に付加して処理した場合の効果は、対照の慣行薬剤防除単独処理に比較し、灰色かび病菌による葉先枯れや発病果率を低く抑え、その有効性が示唆された。 促成栽培ナスについては、ミナミキイロアザミウマ、シルバーリーフコナジラミに対する天敵と選択的農薬を組み合わせた総合防除の効果を検討した。ミナミキイロアザミウマに対して、捕食性天敵タイリクヒメハナカメムシを10月中旬及び3月上旬にそれぞれ1,000頭/10a放飼し、選択的殺虫剤プレオフロアブルを12月上旬と2月上旬に散布する体系は、4月下旬までミナミキイロアザミウマの密度を低く抑制し、実用性が高かった。シルバーリーフコナジラミに対してオンシツツヤコバチを12月上旬と中旬に2回、それぞれ6頭/m2放飼した結果、3月以降、急激にシルバーリーフコナジラミの密度が増加した。本虫に対しては、天敵昆虫単独の抑制効果は不十分なため、防虫ネットなどの導入が必要と考えられた。ナス灰色かび病に対するボトキラー水和剤のダクト内投入散布の防除効果を検討した。同剤の15g/10a/日の毎日1回暖房機ダクト内投入散布を慣行薬剤防除に付加して処理した場合の効果は、慣行薬剤防除単独処理とほぼ同等の発病であった。しかし、ボトキラー水和剤ダクト内投入散を付加したハウスでの発病好適湿度条件の出現頻度が有意に高かったことを考慮すると、本処理体系の有効性が示唆された。
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研究対象 |
トマト、ナス
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戦略 |
園芸
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専門 |
病害、虫害
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部門 |
野菜
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カテゴリ |
病害虫
カイコ
害虫
カメムシ
トマト
なす
農薬
防除
ミナミキイロアザミウマ
薬剤
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