ナラ類枯死木のエコヒュ-ムによる伐倒駆除被覆処理に関する試験

課題名 ナラ類枯死木のエコヒュ-ムによる伐倒駆除被覆処理に関する試験
研究機関名 山形県森林研究研修センタ-
研究分担 森林研究研修センタ-
研究期間 継H16~17
年度 2005
摘要 (目的)ナラ枯れ枯死木にMITCガスの炭酸製剤ヤシマ産業製エコヒューム・メチルイソチオシアネート30%(以下「エコヒューム」)を吸着させてナラ類集団枯損被害の媒介者であるカシノナガキクイムシ(以下「カシナガ」)を完全殺虫する方法を伐倒駆除・被覆くん蒸処理の形で活用できるか検討する。(研究の要約)試験地は山形県鶴岡市(旧櫛引町)西荒屋地内のナラ類集団枯損被害が発生した40年生のミズナラ林で,供試材は枯死したミズナラ5本を伐倒し,長さ1mに玉切りしてカシナガのフラスが出ている部位の丸太と伐根を使用した。使用薬剤はエコヒュームである。被覆方法は,供試丸太を約1m3になるように集積し,伐根はその位置に存地して,生分解性シートとガスバリア性の高い合成樹脂シートで各々覆いシートの裾を土で埋め戻した。エコヒュームの投薬は各被覆に約3cmの投薬口を作り定量注入した。投薬量は180,360g/m3とし,効果調査は投薬2週後と1か月後に被覆を解除して丸太と伐根から約5cmの円盤を採取して,カシナガの生死を確認した。カシナガの殺虫効果は,処理2週後では,生分解性シート被覆の場合,ガス濃度が180g/m3で88.6±5.6%(95%信頼幅),360g/m3で95.2±2.9%であり,無処理区では自然死亡個体の死亡率が14.2±6.4%であった。合成樹脂シート被覆の場合は,180g/m3では76.9±8.7%,360g/m3で90.2±7.5%であり,無処理区では9.2±5.2%であった。また,処理1か月後の殺虫率は,生分解性シート被覆の場合,180g/m3では90.5±5.1%,360g/m3で100%であり,無処理区では20.7±6.6%であった。合成樹脂シート被覆の場合は,180g/m3では89.4±4.8%,360g/m3で100%であり,無処理区では自然死亡個体の死亡率が17.0±7.2%であった。また,処理材の木口面は,ガス処理した試験区ではトリコデルマが繁殖しておりカシナガの虫屑は無かったが,無処理区ではナラ菌をはじめ多数の発菌が認められ,カシナガの虫屑も確認された。ナラ類枯死木の伐倒駆除方法としては,伐倒集積した丸太及び伐根を市販のシートで天幕被覆し,エコヒュームを被覆内にガス濃度360g/m3で投薬処理すれば,カシナガを100%殺虫することが可能であると考えられた。(今後の問題点)本法は長野県でも同様の効果が確認されており,適応拡大の農薬登録後に使用できる。
専門 森林生物
部門 林業
カテゴリ 病害虫 農薬 繁殖性改善 薬剤

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