稲こうじ病発生飼料イネが牛の生理機能に及ぼす影響の解析

課題名 稲こうじ病発生飼料イネが牛の生理機能に及ぼす影響の解析
研究機関名 広島県立総合技術研究所畜産技術センター
研究分担 飼養技術研究部
研究期間 継H18~H20
年度 2007
摘要 目的:天候不順等により,飼料イネに稲こうじ病が発生する。稲こうじ病菌は種々の生理活性物質を産生することが知られているが,これらの物質の牛に対する毒性は全く検討されていない。本研究では,稲こうじ病に罹病した飼料イネを牛に給与し,牛の生理機能に及ぼす影響を明らかにする。 これまでの成果:(ア) 稲こうじ病罹病モミ中(以下,病モミ)に含まれる主要な生理活性物質は,ウスチロキシンAと呼ばれる。ウスチロキシンAの抽出,精製,定量方法を確立した。 (イ)広島県内各地の圃場で収集した病モミ中ウスチロキシンA濃度を分析した。収集した13検体のウスチロキシンA濃度は,380 μg/g~1200 μg/gで,各ロットの濃度には大きな差が認められた。 (ウ)圃場から直接集めた病モミに比べ,ライスセンターから入手した病モミはウスチロキシンA濃度が低く,250~320 μg/gであった。 (エ)ウスチロキシンAの熱安定性を確認するため,病モミを各種条件で加熱した後,ウスチロキシンA濃度を測定した。ウスチロキシンA濃度は,50℃,30分の加熱では減少しなかったが,100℃,1時間でおよそ90%,100℃,3時間では80%に減少した。 (オ)飼料イネサイレージ中ウスチロキシンAの定量法を確立した。広島県産の飼料イネWCS中のウスチロキシンA濃度を測定したところ,罹病イネの多いWCSでは乾物中8~26 μg/g,罹病イネの少ないWCSでは1~3 μg/gであった。 (カ)病モミを泌乳牛に14日間給与したが,乳量,乳成分,血液生化学所見等への影響は観察されなかった。ウスチロキシンAの実際の摂取量は,飼料イネ乾物摂取量に対して6.5~18.6 μg/gであった。 (キ)稲こうじ病籾から抽出・分画した粗ウスチロキシン画分の牛肝類洞内皮細胞由来細胞株(46細胞)に対する影響を検討した。稲こうじ病籾の水抽出画分のうち,ウスチロキシン類を含む画分を46細胞に感作させてその影響を解析したところ,ウスチロキシンAとして10-6 M以下では細胞致死毒性は検出されなかった。本画分の46細胞致死活性は他のマイコトキシン(トリコテセン)と比較して,1/10以下であった。
カテゴリ 稲こうじ病 乳牛

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