(4)生物的硝酸化成抑制機能の解明と利用

課題名 (4)生物的硝酸化成抑制機能の解明と利用
課題番号 2008010752
研究機関名 国際農林水産業研究センター
研究分担 (独)国際農林水産業研究センター,生産環境領域
協力分担関係 国際熱帯農業センター
研究期間 2006-2010
年度 2008
摘要 ソルガムの根分泌物から分離されたMethyl-p-hydroxyphenyl-propionate(C10H12O3、MHPP)と4, 5-dihydroxy-7-methoxyflavanone( C16H14O5、Sakuranetin)という2つのBNI物質について、その阻害機構の解析を行った。MHPPはアンモニア酸化酵素(AMO)活性のみを阻害し、IC70は60μMであった。sakuranetinはMHPPよりも強いAMO阻害活性(IC80、3.3 μM)のみならず、ヒドロキシアミン酸化酵素(HAO)も阻害し、濃度-阻害率曲線が大きく異なることから、AMOとHAOに対する作用機作は異なることが推察された。考案した土耕栽培系を使ってBhのBNI活性評価を行った。生育最後期に採取した台地黄色土において、Bhの栽培跡土壌ではギニアグラスのそれよりも硝化速度が遅いという結果が得られた。土壌中での硝化抑制物質拡散は根のごく近傍に限られ、根の分枝が進み土壌全体で検出できるほどになるには、緩衝能が小さい土壌でも播種後1年近い年月を要することが推定された。土壌系でBhによる硝化抑制を安定的に検出するには、土壌中に含まれる植物根密度を最大限に高める必要があると考えられる。製精中に生じる夾雑物によるバックグラウンドを低くする手法を使って、昨年見出されたBh根浸出液中のジテルペン様BNI化合物の詳細な解析を行った。精製試料を用いた詳しい構造解析により複数のキラル中心の相対立体配置を決定し、ラクトン環の結合位置を2次元NMRにより確認した。本物質は新規化合物であり、Brachialactoneと命名した。イネにおいて、生育ステージ進行に伴うBNI活性の変化を追跡したところ、3から4週の幼植物が比活性、全活性共に最大となること、これまで扱った他の作物(コムギ、ソルガム、ブラキアリア)同様、高BNI活性を示すためには、アンモニアイオンの存在が必要であることが示された。また、安定的に高活性を示す品種として、ブラジル原産のIAC25、低活性品種としてIR64を選抜した。
カテゴリ 管理技術 ソルガム 播種 品種

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