(2)農家所得の向上を目指した水利用の高度化による経営複合化

課題名 (2)農家所得の向上を目指した水利用の高度化による経営複合化
課題番号 2009014021
研究機関名 国際農林水産業研究センター
研究分担 (独)国際農林水産業研究センター,生産環境領域
協力分担関係 タイ農業局
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 ・ 参加型技術開発の研究サイトとしていた東北タイのノンセン村及び周辺村で、複合農業化のインパクト調査を行い、複合化の進展及び複合化による所得向上の実情を把握した。また、タイ、ベトナム、ラオス及びミャンマーの研究機関関係者を集めて12月にコンケン大学でワークショップを開催し、これまでの研究成果を集約した。その他、成果の受け渡しとしてFAO南南協力マニュアルに節水野菜栽培技術が採用され、タイの農地改良局の次期プロジェクトへの成果の採用に向けた試験栽培を実施した。・ ラオス北部の山地天水稲作地帯に関して、焼畑の休閑短縮による地力低下の克服が経営複合化の条件であることを明らかにした。また、タンク式水文モデルやGISによる地形解析手法を駆使して、水の移動と養分の移動のプロトタイプを完成し、水の移動と養分の移動の関係式を明らかにすることにより、地力低下の防止策としての作物の適地マップ作成の準備を整えた。・ ラオス中部の低地天水稲作地帯においては、経営複合化の条件である水田の単収向上に向け、水田の無湛水期間が水稲収量の制限因子となっている実態を把握するとともに、その解消策として鉛直浸透の防止より水平浸透の防止が有効であることを水動態観測により明らかにした。・ 育成したIR64NIL334系統について、雨季・乾季の3年間のデータを集計し、8つの農業形質(到穂日数、稈長、穂長、葉身長、葉身幅、穂数、一穂籾数、籾重)の特徴を明らかにした。調査した8つの農業形質と多型を示した200以上のDNAマーカー情報とで連関分析を行い、それぞれの形質に寄与する59の染色体領域を検出した。・ IR64準同質遺伝子系統120系統について節水間断灌漑(AWD)条件下での収量変異検定の試験を引き続き行った。節水栽培法であるAWD法に適している比較品種(PSBRc80など)よりも収量成績のよい系統が多く見られた。また、早生、中生及び晩生の各グループの中で、2年続けて優秀な結果を示す系統を選定した。・ 稲わらすき込み時期の効果に関わる試験を継続すると共に、これまでの結果を取りまとめた。AWDにより、乾季作期のメタン放出量を常時湛水と比較して約60~90%削減でき、1カ月早期の稲わらすき込みによりそれを更に約60%追加削減できることを示した。・ ガーナの白ボルタ河流域の氾濫原低湿地に隣接する村の農家の聞き取り調査により、水稲栽培導入に対する農民の意識は高いが、技術の未発達、他の作物栽培との労働競合、トラクター作業の不確実性等が導入に対する阻害要因となっている。・ 各種の衛星画像データ及び水位計による水文モニタリングから、対象とする低湿地には未利用地が広がっており、低湿地における稲作導入は地形的にも十分に可能である。・ 低湿地の土壌の粒径組成分析及び水の理化学特性から、低湿地は高位の畑地に比べて土壌肥沃度が高く土壌物理性が良い。特に氾濫原付近の土壌は有機物含有率が高く、イネ栽培により適している。・ 採集した約120の植物試料をさく葉標本と生植物画像に作成し、約90種の種名を同定した。データベースをJIRCASのホームページ(http://www.jircas.affrc.go.jp/project/Ghana/home.html)に公開した。・ 現地の稲作は、耕起散播栽培、不耕起野焼き栽培(穴播き点播)、畝立て栽培(穴播き点播または条播)及びIntercropping栽培(穴播き点播)に大別される。雑草被害が最も大きいのは耕起散播栽培であり、イネ収量は雑草バイオマス量と負の相関にあった。・ ギニアで調査した冠水抵抗性19品種のうち2品種の冠水耐性及び冠水回避性イネを代表品種として選定した。
カテゴリ 病害虫 管理技術 経営管理 雑草 水田 水稲 データベース DNAマーカー 抵抗性 品種 モニタリング 野菜栽培

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる