(2)開発途上地域における技術開発方向の解明と農山漁村開発のための社会経済条件の分析

課題名 (2)開発途上地域における技術開発方向の解明と農山漁村開発のための社会経済条件の分析
課題番号 2009014032
研究機関名 国際農林水産業研究センター
研究分担 (独)国際農林水産業研究センター,国際開発領域
協力分担関係 チェンマイ大学
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 ・ ラオス灌漑稲作村を対象に、A-2)-(2)「天水農業」プロジェクトの協力を得て農家ニーズ把握を実施した。調査対象地の選定と主要な調査手法であるPRA (Participatory Rural Appraisal) の現地適用のための改良は「天水農業」プロジェクトと共同で行った。その結果、本手法は農家の問題意識構造の析出や現実的で実現性の高い技術ニーズの発掘には有効であるが、その半面、革新的で将来性の高い技術ニーズを引き出すのは困難であることが明らかになった。したがって本手法と外部的支援・介入との併用の有効性が示唆された。・ インドネシアの西ジャワの天水稲作地帯を対象に、農家類型別に技術ニーズの相違を調査した。その結果、専業的複合農家(稲・野菜作)では肥培管理・機械利用等総合的な栽培技術ニーズが高いが、稲作を主とする農家では耕耘機利用等の労働節約的技術ニーズが高いことなどが明らかになった。・ フィリピンのルソン島中部で農家間の技術情報伝達過程について、社会ネットワーク分析を行った結果、IPM(総合的有害生物管理)技術のような知識集約的で収益増があまり期待できない技術は、農家から農家への技術普及は困難なことが明らかとなった。・ フィリピンのボホール島において、A-2)-(2)「節水栽培」プロジェクトで研究対象としているAWD普及の課題として、省力的除草法、適期作業励行、効率的灌漑管理、節水を促す経済インセンティブの付与等を明らかにした。これらの成果は「節水栽培」プロジェクトの実施課題の達成目標である「普及指針の提案」に活用することが期待できる。また、水利費の従量制システム導入が、農家の節水インセンティブに及ぼす影響の調査を試みたが、水路水門の構造上の問題から水量データの取得が困難で、当初計画した分析が遅れた。・ 平成20年度までのフィリピン(ターラック州)での深井戸灌漑システムにおける節水間断灌漑(AWD)についての普及プロセスの社会ネットワーク分析による研究成果は、日本農業普及学会学術賞「Technology Adoption and Social Networks: Introducing Alternate Wetting and Drying (AWD) Technology in Deep Well Irrigation Systems, Tarlac, Philippines」(平成22年3月)を受賞した。・ ASEAN諸国(インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジア)及びASEAN-中国での農産物関税削減に伴って、大メコン圏(カンボジア、ベトナム、タイ、ラオス、ミャンマー、中国雲南省)内の貿易構造が大きく変化している。特に、変化の著しいニンニクと飼料用トウモロコシに焦点を当て、関係国間の生産性・収益性の比較を行った。タイ北部と中国雲南省間でのニンニクの比較分析では、雲南省の著しく高い単収水準が価格競争力の源泉であること、タイ東北部とラオス間での飼料用トウモロコシでは、ラオスの低投入・高単収が急激なタイへの輸出増加の背景であることなどを明らかにした。・ これまでの研究成果の社会還元の一環として、研究成果発表会をバンコクにて開催した(平成21年11月11日)。参加者は37名で、タイ農業・協同組合省農業経済局をはじめ、カセサート大、FAOやJETRO関係者、ラオスからは農林省企画局海外投資・企業課担当官、インドネシアからは農業社会経済政策研究所長、中国からは雲南省農林事務所担当官等の行政官の参加を得た。また、研究成果は論文として公表した。
カテゴリ 病害虫 管理技術 栽培技術 除草 飼料用作物 水稲 とうもろこし にんにく 肥培管理 輸出

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