(1) 農業生態系を構成する生物群集の動態と生物多様性の解明

課題名 (1) 農業生態系を構成する生物群集の動態と生物多様性の解明
課題番号 2009014007
研究機関名 農業環境技術研究所
研究分担 (独)農業環境技術研究所,生物多様性研究領域
協力分担関係 静岡県農業技術研究所
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 1)調査情報システムの構築と活用、景観構造と生物多様性の関係解明 水田の栽培管理および周辺の景観が水生昆虫の種構成・個体数に及ぼす影響を評価するため、栃木県4地区、福島県2地区の栽培管理の異なる水田において、水生昆虫の種類・個体数を調査した。水生昆虫の種数は、慣行水田よりも有機・減農薬水田で多い傾向があり、違いの程度は地域によって異なった。また、主要種の一つであるアカネ属トンボは、水田の栽培管理の違いを表す指標となる可能性が示された。本調査と同様の調査結果を全国で比較するため地点データの収集・格納機能をRuLISに整備した。 水田周辺の景観構造が鳥類生息に及ぼす影響を評価するため、鳥類の空間分布に影響を及ぼす空間スケールの抽出を行うとともに、鳥類の個体数変化傾向を定量化する手法を開発し、RuLISモニタリング地区周辺の土地利用データを用い鳥類グループ数の出現種数を説明する一般化線形モデルにおいて解析した結果、グループや時期によって環境要素が影響を及ぼす空間スケールが大きく異なっていることを解明した。2)農法及び農地周辺の管理が植物群落に及ぼす影響 東海地方の茶産地では、良質茶の栽培を目的として茶園にススキの敷草を施す農法が行われており、その資材源としての茶草場が大面積で存在している。この茶草場の植生調査を行い、茶草場が草原性植物や絶滅危惧種が多く生育する貴重な半自然草地であり、在来植物の多様性には、土地改変や管理履歴等の歴史性が強く影響を及ぼしていることを明らかにした。わが国では、かつて国土面積の10%以上を占めていた半自然草地の減少が著しく、草原に依存する動植物が絶滅の危機に瀕しているが、本成果は、茶草場を生物多様性の核として将来にわたり維持するための知見を提供するものである。 除草剤利用等の農法が水田周辺の水生植物に及ぼす影響を解明するため、茨城県南部において異なる景観構造(谷津景観、平場景観)の農業水路に調査地点を拡張して水生植物群集と除草剤濃度の季節変動を把握した。水路の植物群集に最も影響を与えた環境要因は除草剤強度と刈取り除草であり、除草剤強度は沈水植物に、刈取り除草は抽水植物に強く影響を及ぼしていることが明らかになった。
カテゴリ 病害虫 季節変動 栽培技術 除草 除草剤 水田 農薬 モニタリング

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