課題名 | (1) 地球環境変動が農業生態系に及ぼす影響予測と生産に対するリスク評価 |
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課題番号 | 2009014009 |
研究機関名 |
農業環境技術研究所 |
研究分担 |
(独)農業環境技術研究所,大気環境研究領域 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | 1)ほ場スケールでの影響評価(水田生態系応答モデルの開発) 温度・CO2濃度への生理、生育応答の遺伝的変異に関する研究では、これまでに実施したFACE(開放系大気CO2増加実験)及びチャンバー実験の結果を解析し、コシヒカリ、あきたこまち、秋田63号、タカナリ等の品種について、CO2 増加に対する収量応答、高CO2 条件での光合成の窒素利用効率、光合成の応答低下の程度に顕著な品種間差があることを明らかにした。 影響予測モデルの開発・改良研究では、高温による登熟不良を再現するために、粒の成長期間、成長速度、開花時系列パターンを温度の関数とする簡易な登熟モデルを開発した。環境制御チャンバーを用いて広範囲の温度条件から得られた登熟結果を用いて登熟モデルの検証を行ったところ、気温上昇に伴う粒重分布の変化を概ね再現できることがわかった。また、研究の一環として、低コストで高精度に気温を測定できる強制通風筒が開発された。2)地域スケールでの影響評価 平成19年度の成果であるモデル結合型作物気象データベース(MeteoCrop DB)を用いて、平成21年夏の気象条件が水稲作況に与えた影響の解析を行い、特に低日照となった本州日本海側で作況が低下したこと、低日照に加え7月の冷却が強かった北海道で、障害型冷害により作況不良となったことを示した。平成21年は、過去の冷害年と異なり、冷夏を伴わない記録的低日照の夏であり、このような年の作況解析は今後の地球温暖化など気候変動の影響を評価する上で重要である。また、研究の一環として、時別日射量の高精度測定法が開発され、データセットとして公開に向け準備が進められている。 |
カテゴリ | 環境制御 水田 データベース 低コスト 凍害 品種 |