| 課題名 | (1) 農業環境の長期モニタリングと簡易・高精度測定手法の開発 |
|---|---|
| 課題番号 | 2009014011 |
| 研究機関名 |
農業環境技術研究所 |
| 研究分担 |
(独)農業環境技術研究所,大気環境研究領域 |
| 協力分担関係 |
Orange County Water District (米国) Technology Center for Water (独国) 水資源公社(韓国) 国立環境科学院(韓国) |
| 研究期間 | 2006-2010 |
| 年度 | 2009 |
| 摘要 | ア 地球温暖化に関する物理環境・ガスフラックスの変動の検知とモニタリング技術の高度化1)温室効果ガスフラックスのモニタリング 国内・海外の研究機関と連携して、既往のフラックス観測サイトでモニタリングを継続した。平成21年は、全体としては、おおむね順調に新規データを収集した。水田各サイトでは、生態系炭素収支の評価や炭素動態モデルで重要となる、収穫による炭素持ち出し量、イネ-ムギ二毛作地帯で一般的に行われている作物残渣の焼却に伴う炭素の流出量を調査し、これらのガスフラックス以外の要素を含めて、単作田サイトと二毛作田サイトの炭素収支を推定した。年間のCO2 収支を比較すると、単作田と二毛作田の違いは生態系呼吸量(植物呼吸量と有機物分解量)よりも総光合成量で顕著であり、後者が正味のCO2 固定量(純生態系生産量、NEP)のサイト間差の大半を占めていることがわかった。単作田では、作付け期間のNEP のおよそ半分が収穫時に持ち出され、残りの半分は非作付け期間に有機物分解により大気中に還元され、結果として収支がほぼ均衡している。一方、二毛作田では、二つの作期を合わせたNEP は単作田の約1.5~1.7 倍だが、収穫残渣が焼却されるため、土壌への鋤き込み量は単作田と大差はなかった。 観測で得られるCO2フラックスを総光合成量と生態系呼吸量に分離する処理などの欠測値補完法の改良を行った。また、フラックスのオンライン監視用ソフトウエアを開発した。このソフトウエアは、圃場でのCO2 吸収量と水消費量を迅速に評価でき、ネットワークを利用した作物生育の監視や土壌水分の管理等への活用が期待される。イ作物・土壌中における放射性物質等の長期モニタリングと微量化学物質の簡易・高精度測定手法の開発1)農業環境中の放射性物質の長期モニタリング 本研究所では、原水爆実験や原子炉事故等によって環境に放出された放射性物質が作物や土壌に蓄積・残存する状況や、土壌から作物に移行する程度を明らかにするために、1950年代から全国規模で人工放射性核種のモニタリングを行ってきた。これら、日本各地に設けた放射能の定点調査ほ場で栽培された米・麦とその栽培土壌における放射性ストロンチウム(90Sr)、放射性セシウム(137Cs)の濃度についてデータベースを作成しインターネット上に公開した。これらのモニタリング情報は、問題が起こった時に、過去からの変化の様子をたどることができ、将来の不測な事態に備える上でも重要である。 畜産関係の放射能分析業務引き継ぎのため、牛乳試料の90Srについて、畜産草地研究所とのクロスチェック分析を行い、相関係数0.99 以上を得た。2)農業環境における微量化学物質の簡易、高精度分析法の開発(普及に移しうる成果:水中の有害な有機化学物質を対象とした分析マニュアル) 水系における微量分析のニーズが高い有機リン系農薬のオキソン体(10 種)に対して、簡単かつ迅速に抽出および精製ができるGC/MS による分析方法を開発した。この研究及び平成20年度に実施した残留性有機汚染物質(POPs)の多成分分析法の開発は、水系における有害化学物質(農薬、医薬品、ホルモン類など)の効率的な微量分析法を開発するために、米国のOrange CountyWater District (OCWD)、ドイツのTechnology Center for Water (TZW)、韓国の水資源公社 (K water)、国立環境科学院 (NIER)と2年間の国際共同研究を行う中で実施したものである。この4カ国共同研究の成果を英文の分析マニュアルとして世界に発信した。本成果は、関連分野の研究者の活用が期待される。 |
| カテゴリ | 病害虫 ICT 水田 データベース 二毛作 農薬 モニタリング |