課題名 |
加温型周年被覆ハウスにおける果菜類の生理障害の原因解明と対策 |
研究機関名 |
北海道立道南農業試験場
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研究分担 |
研究部・栽培環境科
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研究期間 |
新H20-23 |
年度 |
2008 |
摘要 |
目的:加温型周年被覆ハウスにおける各種生理障害(ホウ素過剰障害、トマトつやなし果)の発生実態と原因を明らかにするとともに対策技術を開発する。また、土壌消毒後の施肥・有機物管理技術を開発する。、成果:(1)トマトのホウ素過剰症状は、土壌のホウ素濃度が8mg/kgで認められた。茎葉の乾物重は、4mg/kgで最大となり、それより濃度が高くなると低下する傾向であった。一方、果実の乾物重および収量はホウ素濃度が高くなっても、低下しなかった。きゅうりのホウ素過剰症状はホウ素濃度が2mg/kgで認められた。茎葉の乾物重や果実収量などは1mg/kgで最大となり、それより濃度が高くなると低下した。収量低下の要因は、ホウ素濃度増加に伴う子づるの本数の減少によるものと考えられた。以上より、土壌のホウ素過剰耐性はトマト>きゅうりの順であり、トマトはホウ素濃度が高くなっても収量が低下しにくく、一方、きゅうりは収量に影響すると言える。(2)トマトつやなし果発生ハウスは、開花期から、着果、肥大期にかけてハウス内の温度が10℃を下回ることが多いのに対し、無発生ハウスではあまり下回らなかった。したがって、つやなし果の発生には、開花期から肥大期の間の温度の影響が要因の一つと考えられる。(3)蒸気消毒やくん蒸(薬剤)消毒を行うと、アンモニア態窒素が概ね2mg/100g以上増加し、その増加量は消毒前の熱水抽出性窒素含量が高いと、高まった。したがって、窒素地力の高いハウスでは、土壌消毒により無機態窒素が多く生成され、その結果過繁茂や生殖成長が制限されるなどの生理障害が発生すると考えられる。
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カテゴリ |
管理技術
きゅうり
生理障害
施肥
土壌消毒
トマト
薬剤
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