課題名 |
ニンジン乾腐病に対する深層土壌消毒法による防除技術の開発 |
研究機関名 |
北海道立道南農業試験場
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研究分担 |
研究部・病虫科
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研究期間 |
完H18-20 |
年度 |
2008 |
摘要 |
目的:渡島中部地域のニンジン栽培で被害実態の大きいニンジン乾腐病について、深層土壌消毒法によるクロルピクリンの防除効果を検証する。、成果:(1)土壌中の菌密度は、秋処理によって検出限界以下または低い水準となったが、処理後に発病が少なかった圃場では収穫時にもほとんど病原菌が検出されなかったのに対し、発病が認められた圃場では菌密度の回復がみられた。(2)春処理を行った圃場では、いずれも激甚な発生状況下で防除価43~46と発病を無処理区の半分程度に抑えた。秋処理では、甚発生圃場においては春処理と同程度の防除効果が得られたが、比較的少発生の圃場では防除価100と完全に発病を抑えることができた。(3)春処理では処理に必要な地温が確保できず、土壌中のクロルピクリンのガス化は秋処理よりも不十分であった。さらにガスが抜けるまでの期間が41日と秋処理よりも10日以上長くなり、その後の播種作業の遅れにつながった。また秋処理では、処理後3週間はクロルピクリン処理に必要な地温7℃を維持しており、処理24時間後には土壌中でガス化が進んで揮散し、28日後にはほとんど検出されなくなった。なお、土壌15cm深さではフザリウム属菌の致死に充分な濃度(13ppm以上)が検出されたが、5cm深さでは濃度が低く、防除効果の低下が懸念された。(4)気中濃度については、両処理とも処理直後にはほとんど検出されなかった。その後ガス化に伴って地表面では低濃度検出されたが、1m高さや圃場周辺では検出されなかった。(5)以上のことから、乾腐病に対するクロルピクリンくん蒸剤の深層土壌消毒は、両処理とも防除効果が半分程度と低かったものの、秋処理の方が地温が得られやすく土壌中のガス化が良好で、防除効果が得られやすいと考えられた。なお、春処理は地温が低くガス化が不十分なため効果の低減が懸念されること、さらにその後の播種作業が遅れることから実用的ではないと考えられた。
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カテゴリ |
くり
土壌消毒
にんじん
播種
防除
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