(4)東南アジアにおけるバイオマス利活用技術の開発

課題名 (4)東南アジアにおけるバイオマス利活用技術の開発
課題番号 2010015005
研究機関名 国際農林水産業研究センター
研究分担 (独)国際農林水産業研究センター,利用加工領域
協力分担関係 キングモンクット工科大学
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 ・ インドネシアにおけるバイオ燃料生産及びバイオマス資源利用の現状を調査するとともに、バイオマス資源作物生産ポテンシャルの評価を行った。その結果、2006年から2009年の間に、オイルパーム栽培面積は約90万haと大きく増加したもののサトウキビ、キャッサバの栽培面積の増加は小さく、政府が掲げるバイオ燃料作物の栽培面積増加目標(2010年までにオイルパーム、ジャトロファ、キャッサバは各150万ha、サトウキビは75万ha増加)の達成は困難であることが分かった。しかし、バイオマス資源作物の収量は増加しており、特にキャッサバでは、年率5.1%の大きな増加を示していた。また、バイオ燃料原料用作物の拡大ポテンシャルは、最大22.3百万haと推定された。・ ラオスにおける現地調査を行い、キャッサバを原料とした大規模デンプン工場が建設され、キャッサバ価格が高騰していること、サトウキビについては、南部ではタイ資本の製糖工場が操業し、契約栽培農家に対して安定生産のための技術指導が行われており、また、北部では中国の製糖企業向けに輸出されるなど土地と資源作物の争奪が起こっていることを明らかにした。また、最もバイオエタノールの実用化が進むタイをはじめとした、東南アジア主要国のバイオエタノール導入状況をとりまとめた。・ 本プロジェクトで取得した好熱嫌気性細菌Clostridium thermocellum S14株の高活性セルロソームとセルロソームのセルロース結合モジュール(CBM)を融合させた好熱嫌気性細菌Thermoanaerobacter brockii由来のβ-グルコシダーゼとを組み合わすことにより、酵素を新たに添加することなく、結晶性セルロースの分解を繰り返し行えることを示した。・ 稲ワラ等のバイオマスの糖化ではリグニンによる非特異的酵素吸着が起こるが、基質をカゼインで前処理することにより非特異的酵素吸着を防ぎ、酵素を繰り返し利用できることを明らかにした。・ セルロース系バイオマスを連続的に、かつ酵素を繰り返し使用できる、酵素リサイクル糖化装置を開発した。・ セルロース系バイオマス前処理法として、アンモニアの回収を可能にする、アンモニアガス爆砕処理法を開発するとともに装置を試作した。・ オイルパームの伐採後のトランク中の糖含量の増加の原因として、デンプンやセルロース等の多糖類の分解とアミラーゼ、セルラーゼ等の酵素の関与を明らかにしたが、糖増加分の40%程度しか説明できなかった。多糖類以外の物質からの糖生成経路が存在することが確実となった。・ オイルパームトランク貯蔵中の糖蓄積の要因を解明するために伐採後のオイルパームの網羅的遺伝子配列及び発現解析を行ったところ、アミラーゼ、グルカナーゼ遺伝子に加えて、グリオキシル酸回路関連酵素遺伝子及び糖新生関連酵素遺伝子群の発現量が大幅に増加しており、これらの糖代謝系の関与が推定された。・ グリセリンをポリオールとするオイルパーム空果房(EFB)-ポリウレタンコンポジットはNCO/OH比=1:1に固定した条件では、EFB混合率60%で、引張り強度、曲げ強度、衝撃強度が最大であり、EFB混合率を70%程度にあげても実用性に耐える強度を保持できることを明らかにした。・ オイルパーム廃棄木のトランクを用いたバインダレスボードの製造試験を行い、グルコース、シュークロースの添加及び原料の微細化によりバインダレスボードの性能が向上することを明らかにした。
カテゴリ さとうきび 輸出

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