(1) 地球環境変動が農業生態系に及ぼす影響予測と生産に対するリスク評価

課題名 (1) 地球環境変動が農業生態系に及ぼす影響予測と生産に対するリスク評価
課題番号 2010014998
研究機関名 農業環境技術研究所
研究分担 (独)農業環境技術研究所,大気環境研究領域
協力分担関係 岐阜大学
他7カ国の共同研究者
研究期間 2006-2010
年度 2010
摘要 (1)ほ場スケールでの影響評価(水田生態系応答モデルの開発)これまでの、チャンバー、FACE実験施設等でのイネの環境応答の実験的解明を踏まえ、土壌の炭素・窒素動態、イネの成長、群落水熱収支の3 サブモデルから構成するされる水田生態系モデルを構築した。つくばみらい市の開放系大気CO2増加(FACE) 実験施設での研究が開始され、初年目の実験から次の結果が得られた。高CO2処理はイネ収量を増加させたが、増収率は品種によって3~36%の幅が認められた。高CO2 処理は、夏季の異常高温による不稔率を平均では減少させたが、品種によっては増加させた。高温不稔に関して、高CO2 処理に対する応答が品種により異なることは重要な知見である。高CO2 処理は、過去の報告と同様に、玄米のタンパク含有率を減少させ、その結果食味値を増加させたが、外観品質についてはいずれの品種も著しく低下させた。つくばみらいと雫石でのFACE 実験における各品種の収量の高CO2応答を解析したところ、あきたこまちやコシヒカリの増収率は試験地や年次で異なり、温度依存度が強いと考えられたのに対して、秋田63 号、タカナリは試験地や年次にかかわらず高い増収率を示し、広範な環境条件で高いCO2 施肥効果を発揮するための重要な形質を持つと推察された。イネの高温生育障害と関連の深い群落内の気温と湿度の観測を簡単に行える気象観測装置(MINCER)を開発した。また、MINCERを用いて水田微気象や高温障害の実態を把握する国際観測ネットワーク(MINCERnet)を構築した。MINCERnet参加国は、世界有数のコメ生産国であるインド、スリランカ、ミャンマー、中国、フィリピン、台湾、アメリカおよび日本の8カ国である。これにより、多国間の連携の下、イネの高温生育障害の詳細な解析や原因究明が進展することが期待される。(2)地域スケールでの影響評価地域スケールでは、簡易な収量モデルと水分条件、塩分条件などから作付面積の変動を推定するモデルを構築した。複数の気候モデルの出力を基に日本、東アジア、東南アジアにおける地域収量や生産量変動とその不確実性を評価したところ、1991~2000年代から2041~2050年までに予測される収量変化は-10~+10%程度と推定され、地域に適応した品種の発育特性や栽培暦が影響の程度に関与することが示唆された。
カテゴリ 高温対策 水田 施肥 品種 良食味

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