課題名 | 中晩柑の夏季出荷を可能とする長期鮮度保持技術の開発 |
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課題番号 | 2009014285 |
研究機関名 |
愛媛県(農林水産研究所果樹研究センター) (独)農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所 山口県(農林総合技術センター) 阪本薬品工業株式会社 住友ベークライト株式会社 広島県(総合技術研究所) |
研究期間 | 2009-2011 |
年度 | 2009 |
摘要 | (1)「不知火」と「河内晩柑」の果実からエチレン生成の鍵酵素であるACC合成酵素およびACC酸化酵素をコードする遺伝子各2種類を単離した。リアルタイムPCRを用いて、組織別の発現パターンを解析し、エチレン生成関連遺伝子は主にヘタで発現していること、さらに、エチレン生成量の異なる両品種間差からCitACS1とCitACO1がエチレン生成量の違いに深く関与している可能性を示唆した。(2)「不知火」等の中晩柑5品種で貯蔵中のエチレン生成と果実品質変化を検討した。ネーブルオレンジのエチレン生成量は、他の試験区と比較して15℃70%区で貯蔵21日目以降から顕著に増加し、へた枯れやこはん症の発生は多かった。一方、他の品種では、エチレン生成量はいずれの区においても微量であったが、品種・試験区によっては果皮障害の発生が認められ、エチレン生成と貯蔵性との関係を明らかにするためには、個々の品種のエチレン感受性も併せて検討する必要がある。(3)カワラヨモギ抽出物であるカピリンの抗菌活性を検討した結果、カンキツ主要病害に対して高い抗菌活性が認められた。さらに、新規製剤としてSK-253を処理したところ、浸漬及びウエス処理で高い効果が得られ、接種5日後まで効果は継続した。(4)「清見」を用いて、カワラヨモギ抽出物(カピリン)濃度とエチレン生成、呼吸、果皮障害、へた枯れとの関係を検討したところ、カピリン濃度は100ppmが適当と考えられた。「不知火」、「河内晩柑」及びレモンについてもカピリン濃度100ppmによりエチレン生成・呼吸が抑制されたことからカワラヨモギ抽出物製剤SK-253を有力な候補とした。(5)カワラヨモギ抽出物製剤SK-253処理と貯蔵温度の違いが「清見」、「不知火」、「河内晩柑」、レモン果実の呼吸速度に及ぼす影響を調査したところ、4品種とも25℃においてはSK-253処理によって10%程度抑制され、カワラヨモギ抽出物の呼吸抑制効果が確認された。 |
カテゴリ | 出荷調整 鮮度保持技術 ネーブル 品種 レモン その他のかんきつ |