小型底びき網漁業構造改善調査

課題名 小型底びき網漁業構造改善調査
研究機関名 愛知県水産試験場
研究分担 海洋資源グループ
研究期間 完H21~22
年度 2010
摘要 [研究の背景・目的]  小型底びき網漁業では内湾環境の悪化による底生生物の減少と魚価の低迷およびコスト増大により経営状況は厳しさを増している。この状況を打開して水産物を安定供給するには,小型底びき網漁業の主体となるまめ板網漁業について漁業構造を見直して抜本的な構造改革により収益性の高い経営体質を実現していく必要があり,そのため,漁具の改良及び選別方法の改善を通して効率化・省力化を進める。 [本年度の目標] ・経営診断調査…網の構造や使用状況などの操業実態を調べ,現状での問題点を抽出する。 ・漁具開発調査…網目拡大と魚捕りの改良および選別方法の改善を行って有効性を調べる。 ・操業システム開発調査…漁具改良および選別方法の改善の資源・経済効果を評価し、その有効性を調べる。 [結果の概要] ・経営診断調査…漁獲物の組成は,小ジャコなどの投棄魚が80%,ヒトデなどの未利用生物が10%,漁獲対象生物が10%を占める。投棄魚は夏季の昼間操業で多く,1日1隻あたり1000kgに達する。漁獲量が多いと選別時間が足りず,漁獲サイズの生物も投棄されている実態があることがわかった。 ・漁具開発調査…網目拡大により小型生物の入網は少なくなったが,漁獲対象であるサルエビの漁獲量も減少していた。改良した2層3段構造の魚捕りでは,クラゲは1段網上層に,スナヒトデなどの大型未利用生物やクロダイ,ガザミなど大型の漁獲物は1段網下層に,大型のシャコなど漁獲物は2段網に,小シャコなどの投棄魚とマアナゴは3段網におおよそ分離できた。選別方法の改善では,水槽・流水を利用して選別を行い,シャコ・カレイ・サルエビそれぞれの生残率を通常の選別の約2倍に高めることができた。 ・操業システム開発調査…数値実験によると,漁具改良や選別方法の改善は,コストの増大を伴わないことから効果が収益の増大に直結しており,減船と同等の経済効果があると試算された。 [事業を進める上での課題・問題点]  普及のためには,技術導入によって得られる品質のよい漁獲物が市場で応分の価格評価を得られる保証が必要であると考えられた。
カテゴリ 経営管理 経営診断 コスト 省力化

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