摘要 |
1.農業用水の肥料成分調査:農業用水の水質実態を把握するため、6月29日、8月31日及び9月28日に岡山市で採取した用水の分析を行った。地点別の平均値をみると、調査した8地点の内、全窒素は6地点で、化学的酸素要求量は4地点で農業用水基準を上回った。EC、懸濁物質はすべての調査地点で基準値を下回った。 2.農薬動態調査:農業用水に含まれる農薬の実態を把握するため、6月29日、8月31日及び9月28日に採取した農業用水について農薬成分を分析した。その結果、すべての時期、いずれの地点においても農業用水中の農薬成分は基準値を上回らなかった。 3.流出水対策推進調査:県南部の水田16で、作土を採取し分析に供した。可給態リン酸含量は改良目標値以下は無く、目標値内38%、目標値以上62%であった。交換性カリウム含量も目標値以下は無く、目標値内38%、目標値以上62%であった。pHが5.5以下の圃場が31%あり、特に麦を作付けする圃場では早急な改善が必要と考えられた。減肥実証試験を5圃場で実施した。カリウムについてもリン酸と同様に試験を実施した。5圃場の内4圃場は、土壌中の可給態リン酸含量及び交換性カリウム含量が改良目標値を上回っていた。その結果、前年度と同様、すべての圃場でリン酸、カリウムの施肥量削減により精玄米収量及びリン酸、カリウム吸収量が低下することは無かった。このことから、当該地域の水田では土壌診断に基づきリン酸、カリウム施肥を大幅に削減できることが示唆された。
|