摘要 |
県内に93地点の調査地点を設け、深さ30cmまでの土壌に含まれる炭素量を測定するとともに、農地管理方法についてアンケート調査を実施した。調査は樹園地、水田(水稲単作)、水田転換利用(稲麦2毛作、水田転換畑)、畑(飼料畑)、草地を対象に実施した。炭素蓄積量の中央値は、樹園地がa当たり428kg、水田449kg、水田転換利用446kg、畑728kg、草地443kgであった。また、堆肥投入割合は樹園地63%、水田14%、水田転換利用28%、畑100%、草地67%であった。所内の水稲不耕起直播栽培を10年以上継続後、平成21年に耕起してナタネを栽培した水田と、耕起移植継続田で炭素蓄積量の調査を行った結果、前者の炭素蓄積量が上回った。このことから、不耕起栽培を継続すると炭素蓄積量が増加し、耕起栽培に転換してナタネを栽培した1年目では炭素の減少は起こらないことが明らかとなった。所内の有機物を連用した水田及び畑で同様の調査を行った結果、水田では稲わらに加えて牛ふん堆肥を1t/10a連用した場合や麦わらを連用した場合に、稲わらのみの場合より炭素蓄積量が増加した。畑では籾殻牛ふん堆肥投入量に応じて炭素蓄積量が増加した。
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