履歴水温管理による水稲の冷害軽減技術の開発

課題名 履歴水温管理による水稲の冷害軽減技術の開発
課題番号 2011018075
研究期間 2009-2011
年度 2011
摘要 (1)実用化の観点から、履歴時期の水深制御による水温上昇が耐冷性に及ぼす影響を5cm水深と0cm水深で比較評価したところ、履歴時期の浅水は耐冷性を弱め、水深が深いほうが良いことを明らかにした。(2)履歴時期に日変化処理を行い日平均水温23℃では恒温処理と日変化処理に差がないことを明らかにして、履歴水温効果の範囲の決定に寄与した。(3)履歴水温が穂内の過酸化脂質の蓄積に影響すること、履歴水温は小胞子の分化数には影響せず、小胞子が充実花粉に発達するときの低温耐性に影響すること、および冷害によって誘導される遺伝子の発現に影響することを明らかにした。(4)水温推定モデルを用いて水深の違いが水温に及ぼす影響を調べた。水深制御と取水時間で水温を調節できる可能性を確認した。(5)水田の平均水温を高める管理方法について、盛岡の履歴期間中の低温日を例として、モデルを用いた再現実験により水温上昇効果を評価し、このモデルが履歴時期の水管理に利用できることを確認した。(6)中課題1で得られた履歴水温と不稔歩合の関係、中課題2で得られた水深を10cmまで深くすることで最大0.4℃の水温上昇が望めるという知見から、本プロジェクトで考慮する履歴時期の水管理として、従来の前歴期よりさらに4週間前の履歴時期からの深水管理により日平均水温を高め、耐冷性を向上させることを提案する。その効果の冷害年における利用の可能性について、東北?北海道の13地点について1961年?2009年の履歴期間(6月中下旬)および危険期(7月中下旬)の気温の相関を解析した結果、冷害年における履歴期間の水温処理の有効性を示した。また、履歴時期の温度環境を考慮したリスクマップを作成し、青森県北部では、同じ危険期の気温条件でも履歴時期の気温が低い、リスク地域であることが明らかになった。(7)験規模を拡大した同様の試験を行い、深水条件での水温上昇の再現性を明らかにし、履歴時期の長期の深水管理は、穂数の減少によりm2当たり籾数が減るが、登熟歩合が上がり、収量に差がないことを明らかにした
カテゴリ 水田 水稲 耐寒性 凍害 水管理

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