種子胚乳澱粉の理化学的解析による各種大麦育成系統の利用特性の評価

課題名 種子胚乳澱粉の理化学的解析による各種大麦育成系統の利用特性の評価
課題番号 2011018497
研究期間 2010-2014
年度 2011
摘要 澱粉粒の光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡観察により、S97WTとS84WTは通常の大麦澱粉粒の形状であることが確認された。S97craおよびS84fraは、光学顕微鏡観察において受粉後3週間の未熟穀粒では澱粉粒に亀裂や崩壊が顕著であった。ただし実験試料に用いた完熟穀粒の澱粉粒にはそれらの大粒澱粉のほぼ中心部分にある程度の亀裂が観察されたが、受粉後3週間の大麦変異体澱粉粒の亀裂の程度に比べて、その程度はかなり低く、また崩壊した澱粉粒は観察されなかった。粒径による澱粉の性質の違いに関して、S84WTとS84fraのウルチ性澱粉においては、アミロース含量は大粒>中粒>小粒の順に高いことが、酵素・クロマト法およびヨウ素法(680nmにおける吸光度(青価)、最大吸収波長λmaxなどの測定)を用いた実験結果から明らかとなった。澱粉粒の一部分に崩壊(fra)、亀裂(cra)が生じている変異体澱粉と対応するWT澱粉のアミロペクチン鎖長分布との間にある程度の違いが観察された。汎用型DSCおよび大容量型DSCによる生澱粉の糊化ピーク温度(Tp)および糊化終了温度(Tc)は小粒>中粒>大粒の順に高く、糊化開始温度(To)は逆に大粒>中粒>小粒の順に高い傾向があることがわかった。S97WTとS84WTとその澱粉変異体の胚乳澱粉の大容量型DSCを用いた生澱粉と老化澱粉(生澱粉を110℃までDSCで測定の後、そのままDSC試料容器内で糊化した澱粉試料を5℃で7日間放置して調製)の糊化温度と糊化熱量を測定した結果、試料間に大きな相違は観察されなかった。大麦澱粉の糊化終了温度以上の75℃の熱水に対する澱粉試料の膨潤力と溶解度を測定した結果、モチ性のS97WTとその変異体のいずれの澱粉試料も非常に高い溶解度を示した。一般にモチ性の米やトウモロコシ澱粉では高い膨潤力と低い溶解度を示すことから、モチ性大麦澱粉の特性と考えられ、食品に利用する際のひとつの知見と思われる。
カテゴリ 大麦 受粉 とうもろこし

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