課題名 | 加温型周年被覆ハウスにおける果菜類の生理障害の原因解明と対策 |
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研究機関名 |
地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部道南農業試験場 |
研究分担 |
研究部・生産環境グループ |
研究期間 | 完H20-23 |
年度 | 2011 |
摘要 | 目的:加温型周年被覆ハウスにおける各種生理障害(ホウ素過剰障害、トマトつやなし果)の発生実態と原因を明らかにするとともに対策技術を開発する。また、土壌消毒後の施肥・有機物管理技術を開発する。 、成果:(1)つやなし果の果皮表面には微細な亀裂が生じており、それにより照射光が乱反射することでつやが無いように見えると考えられた。(2)つやなし果の発生は、低温によって助長され、開花後30日間の平均日最低気温が10~12℃以下で発生し、それより低くなると発生率が高まる傾向にあった。(3)つやなし果の発生には、品種間差が認められた。(4)つやなし果発生低減対策を、つやなし果の発生が少ない品種を使用すること、最低温度が12℃を下回らないように管理することとした。(5)温泉熱利用ハウス土壌の約8割は、熱水可溶性ホウ素含量(HWSB)が土壌診断基準値の上限(2ppm)を超え、これらのハウスでトマトやきゅうりの下位葉にホウ素過剰症状が発生していた。この原因として、ホウ素を含む温泉水(平均で14.7mg/L)のハウスへの流入が考えられた。(6)トマトおよびきゅうりのホウ素過剰症状は、HWSBとして8および2ppm程度で発生した。きゅうりでは、概ね4ppm以上で子づるの発生本数が減少し、その部分に着果する果実が見込めなくなり収量減となった。(7)ホウ素過剰症状の軽減対策として、積雪期にハウスの被覆を除去することにより、きゅうりの子づるの発生本数が減少しない水準までHWSBが低下した。(8)土壌中の無機態窒素は、土壌くん蒸消毒および蒸気消毒後に増加し、熱抽窒素の高い土壌ほど増加量が多かった。(9)消毒後の無機態窒素増加量を面積あたりに換算し、熱抽窒素に応じた窒素減肥可能量を設定した。(10)ほうれんそうおよびトマトによる土壌消毒後の窒素減肥を実証した結果、収量および窒素吸収量に減肥の影響は認められず、消毒後の無機態窒素の増加に応じた減肥が可能であることを確認した。 |
カテゴリ | 管理技術 きゅうり 生理障害 施肥 土壌くん蒸 土壌消毒 土壌診断 トマト 品種 ほうれんそう |