課題名 | 受精卵を活用した「しまね和牛」雌牛群の改良対策システムの開発 |
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研究機関名 |
島根県畜産技術センター |
研究分担 |
繁殖技術グループ |
研究期間 | 継H22~25 |
年度 | 2012 |
摘要 | 目的 、県下全域において、高い能力を有する和牛繁殖雌牛群を早期に確立するための1つの有効な手段として、受精卵移植(ET)を活用した和牛生産システムの構築が急務である。しかしながら、和牛雌牛へのET受胎率は人工授精による受胎率と同程度の受胎率を確保することが困難である。そのため、酪農家に比べ和牛農家においての受精卵移植が進行していない。 、そこで、子牛生産のベースとなる繁殖牛群の能力のレベルアップを図るために、和牛雌牛を受精卵移植の受卵牛として効果的に活用できる技術を開発・普及する。 、方法および結果の概要 、和牛経産牛の受胎成績にマイナスの影響を及ぼすとされるストレスへの耐性を向上させるために、自然界最強の抗酸化物質とされる“アスタキンサンチン(ASX)”に着目した。投与形態は、ペレット化したASX製剤の経口投与で設定した。 、(1) 妊娠牛20頭を用いてASX投与試験を行い(ASXとして50あるいは100mg/日)、ストレス関連項目の血液生化学検査値の投与前後の推移を調べた。その結果、スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)活性値には特段の変化が認められなかったが、過酸化脂質(TBARS)は低下する傾向が観察された。 、(2) 産褥期(分娩後30日間)におけるASX投与(50mg/日)がその後のET成績に及ぼす影響を特定のET活用型農場で調査。ET受胎率は、非投与群の44%(23/52)に対して投与群が64%(9/14)と高率になる傾向が認められている。さらに、調査を継続中である。 、(3) 生理的空胎期中の分娩後30日目からASX(100mg/日)を 30日間投与、投与開始日に腟内挿入型P4製剤(PRID)を挿入、発情・排卵を同期化して、ETを実施。受胎率は、非投与群の25%(1/4)に対して投与群が75%(3/4)と高率になる傾向が認められている。例数を重ねる必要があり、継続検討中である。 |
カテゴリ | 受精卵移植 乳牛 繁殖性改善 |