課題名 | オリーブの新品種と安定生産技術の開発 |
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研究機関名 |
香川県農業試験場 |
研究分担 |
小豆オリーブ研究所 |
研究期間 | 新H24~H28 |
年度 | 2012 |
摘要 | 目的:本県のオリーブは、主に希少性でオンリーワン産地を形成してきたが、国内新興産地の参入が加速化しており、トップワン産地へ移行するための新技術の開発が急務である。そこで、本県オリジナル品種の早期開発によるブランド化を図る。また既に本県に導入している海外品種の中から早期に普及できる有望品種を選抜する。 、成果:1)育成系統の形質特性調査と栽培適性調査。特性調査として、開花日、花房長、花柄長、花房幅、花数、花蕾系、葉身長、葉身幅等を調査し、基礎データを集積した。増殖特性と挿し木苗の生育特性調査として、挿木繁殖試験を実施中である。耐病性の調査として炭疽病発病果率を調査した。43個体中15個体が5%以下、13個体が5~10%であった。 、2)加工適性調査と選抜。漬物用加工適性調査として、優良品種の加工食味試験を讃陽食品工業で実施したところ「アスコラノ」が有望であった。オイル用加工適性調査として、16系統の酸度と総ポリフェノールを調査した結果、KN31、KN41、KN66、KN75が酸度0.8以下で、総ポリフェノールが200ppmを上回った。19系統のオイルをフルーティ、苦み、辛み、バランス、好みの5つの項目に分け官能特性調査を行ったところ、総合評価でKN31、KN41、KN52、KN54、KN62、KN66、KN75の7系統が対照の「ルッカ」より優れた。一般社団法人日本オリーブオイルソムリエ協会へ9系統のオイルを送付し、香り、味覚、好み等の鑑定を依頼したところ、香りはKN66、KN75、味覚はKN66、KN52、KN101、好みはKN52、KN66が優れており、総合評価でKN66、KN52、KN75等が高評価であった。 、3)海外優良品種の導入。「コラティーナ」、「コレッジョラ」、「コロネイキ」、「セントキャサリン」等の8品種が炭疽病病果率0%で抵抗性が高いと考えられた。 、4)オイル用オリーブ果実採油率調査。「ミッション種」について、採油率向上と基礎データの蓄積を目的に3地域で時期別採油率について調査した。平均採油率は10月第4週6.7%、11月第4週8.0%、12月第2週10.2%と徐々に増加した。 、5)ハマキムシ類の発生消長と被害調査。オリーブの新梢先端の食害痕数を調査するとともに、食害種とされるハマキムシ類およびマエアカスカシノメイガの成虫の発生消長を予察灯およびフェロモントラップにより調査した。その結果、ハマキムシ類成虫は4月中旬から11月中旬頃まで発生が認められた。予察灯を用いたマエアカスカシノメイガの誘殺数は前年度同様に比較的少なく、3月中旬、6月中旬、10月上旬に発生ピークを迎えた。圃場でのハマキムシ類幼虫による食害茎は4月上旬、5月下旬に発生が認められ、7~9月の間は極めて少なかったが、10月上旬から急激に増加した。ハマキムシ類誘殺数と被害の発生時期はおおむね一致した。 、6)カメムシ類の発生消長調査。オリーブにおけるカメムシ類の成虫の発生消長を予察灯により調査した。カメムシ類成虫は5月中旬から7月中旬をピークに9月下旬頃まで発生が認められた。発生時期を通じて主発生はチャバネアオカメムシであり、クサギカメムシ、ツヤアオカメムシの発生の順であった。9月下旬以降は発生が認められなかった。 |
カテゴリ | オリーブ 加工 加工適性 カメムシ 挿し木 新品種 炭疽病 抵抗性 繁殖性改善 品種 フェロモン 良食味 |