| 課題名 | ① 遺伝子組換え作物の開発技術の高度化とその利用 |
|---|---|
| 課題番号 | 2013023139 |
| 研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
| 研究分担 |
小沢 憲二郎 高木 英典 川勝 泰二 小郷 裕子 |
| 研究期間 | 2011-2015 |
| 年度 | 2013 |
| 摘要 | 1. スギ花粉症治療イネ、及びスギ花粉ペプチド含有イネの隔離ほ場栽培試験を実施した。スギ花粉症治療イネについては、医薬品開発 を目指した非臨床試験等のために玄米試料等を調製・提供するとともに、玄米の栽培間の品質の同等性に関したデータを集積した。スギ花粉ペプチド含有イネについては、東京慈恵会医科大における臨床研究第 I 相試験、及び、第 II 相試験に用いるためのスギ花粉ペプチド 含有イネ玄米試料の調製・提供を行った。 2. スギ花粉症治療米を医薬品として開発するために、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に「ラット4週間反復投与毒性試験」、「品質規格」、「スギ花粉症治療米治験薬を栽培する際の治験薬GMP」、及び「スギ花粉症治療米の種籾生産システム」に関して医薬品戦略相談を 申し込み、事前相談及び対面助言を通じて、調査すべき非臨床安全性試験の項目と共に、医薬品としての玄米の品質規格、医薬品としての栽培管理方法及び、医薬品としての種子の管理方法についての考え方を整理した。 3. 薬事法に従い、全ての非臨床安全性試験は信頼性基準で行う必要があり、治験薬原薬(玄米)の栽培に関しては治験薬GMP体制が必要 な事から、昨年度確立した信頼性基準体制を継続し、また新たに治験薬GMP体制について総則を作り、機器の整備、機器管理マニュアル等 書類の作成や隔離ほ場等の整備を行った。 4. GPI誘導関節炎におけるT細胞アナログペプチドとして予防や治療で有効性が示されてきたAPL-12ペプチドのトライマーをグルテリンの可変領域に挿入した組換えイネにおいては蓄積量が低かったことから、プロラミンとの融合タンパク質としての蓄積を進めた。その結果、10kDプロラミンとの融合のみで高蓄積が観察され、他のプロラミンではサイレンシングが生じた。 5. 制御性T細胞の誘導に関与するTGF-βのモノマーやダイマーを高発現させた組換えイネ種子の世代を進めホモ化して、OVA食物アレルギーモデルマウスに経口投与して有効性の検証を進めたところ、脾臓リンパ節や腸管膜リンパ節のOVA特異的T細胞増殖反応性を低下させていることが示された。また種子中のTGF-βはシステインに富むプロラミンと相互作用していた。 6. 外来性のタンパク質を種子に大量に蓄積させるには、小胞体ストレス応答を抑える必要がある。タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)の1種PDIL2-3(種子ではPB-Iの表面に局在)の小胞体ストレスにおける遺伝子発現応答に関与するシス配列の同定を進めたところ、翻訳開始点上流-125~-140領域にあるモチーフIIやUPRE-IIがキーとなるシス配列であることが示された。この配列にはOsbZIP60やOsbZIP50の転写因子が結合し、活性化することも示された。 7. 小胞体ストレス応答に関与すシャペロン、BiPと相互作用するイネのすべてのJタンパク質(7種類)を同定すると共に、それらの細胞内局在性及び小胞体ストレス下での遺伝子の発現応答様式を明らかにした。 8. コメの主要な3種類のアレルゲン以外の新規アレルゲンとして同定された発現量が高い2種のグロブリンと、4種類のグリコシダーゼについて、保存性の高い遺伝子領域をRNAiにより、胚乳及び胚・アリューロン層特異的プロモーターで発現し、低減化させる組換えイネを開発した。この新規アレルゲン低減米と既に作製されている主要アレルゲン低減米を掛け合わせることにより、主要3アレルゲンと新規アレルゲン全てが低減化したイネを作製した。 9. Paenibacillus popilliae Semadara株由来の殺虫タンパク質を過剰発現する葉緑体形質転換タバコを作出し、当該タンパク質の殺虫性を確認した。現在、発現量の解析等を野外で行うため、研究第一種使用を行うための手続きを進めている。 |
| カテゴリ | 栽培技術 たばこ |