有用貝類資源形成機構調査

課題名 有用貝類資源形成機構調査
研究機関名 愛知県水産試験場
研究分担 栽培漁業グループ
研究期間 継H19~
年度 2013
摘要 [研究の背景・目的]
、 アサリをはじめとする二枚貝は,伊勢・三河湾の主要な水産物であるが,全国的な漁獲量の長期減少傾向の中で,有効な資源増大・安定化対策の確立が漁業者から強く望まれている。本県におけるアサリの漁獲生産高は1万トン程度で推移し,巨視的にみれば安定しているといえる。しかし,漁場ごとにみると,1)稚貝着底がほとんどみられない,2)稚貝を放流しても定着しない,等の問題を抱えた漁場も多く,これらのことは本県をはじめ全国的にも共通した問題と認識されている。このため,稚貝の移植効果の高い漁場,前浜に発生した稚貝の生残性の高い漁場を選定して,より生産性の高い漁場管理手法を開発する。本試験は(独)水産総合研究センターを中核とし,本県の他,アサリ主要生産県である三重県と民間企業を含む7機関のグループが水産庁から委託され実施する。
、[本年度の目標]
、・アサリの資源量を把握するため春季及び秋季の年2回,伊勢湾東岸域において広域調査を行う。
、・豊川河口域で採捕された稚貝を移植し,成長・生残を追跡する。
、・漁場環境を把握するため,波浪などの流動環境及びクロロフィルa量などの餌料環境を調査する。
、[結果の概要]
、・春季(6月)と秋季(10~11月)の年2回,鬼崎地先,常滑地先,小鈴谷地先,野間地先の4区域でアサリ資源分布調査を実施した。アサリは主にD.L.-1m以浅の区域に分布し,地盤高別でみた稚貝(10mm未満とする)と成貝(25mm以上とする)の生息分布は,ほぼ一致する傾向がみられた。D.L.-1m以深の区域では,ハスノハカシパンやヒトデ類が確認され,アサリの生息を制限していると考えられた。
、・小鈴谷地先に50m×50mの移植放流区を4区設定し,豊川河口干潟で採取されたアサリ稚貝(以下,豊川稚貝)を1区あたり328万個体(1,313個体/m2)移植放流した。野間地先においては40m×40mの移植放流区を4区設定し,豊川稚貝を1区あたり33万個体(208個体/m2)移植放流した。
、・移植放流区における放流稚貝の密度は,沖側の移植区において密度が著しく低下し,最も岸側の移植区では他の移植区と比べて低下の程度は小さかった。移植放流区間で殼長の平均値に差は見られなかった。網袋試験では岸側と比べて沖側の試験区において成長が良く,肥満度も高かった。
、・底面波動流速は,9月中旬頃までは最大でも20cm/s程度で推移していたが,それ以降は20cm/s以上の値が多くなり,40cm/sを超える値も測定された。高い流速値が観測されたときは主に台風や低気圧の影響によるもので,アサリが動かされやすい状況であったことが確認された。クロロフィルa濃度の平均値は2.6~13.9μg/Lで推移し,9月19日~10月22日の値が最も高く,小鈴谷地先の方が野間地先よりも高かった。
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