課題名 | 遠隔リアルタイムモニタリングシステムによる作業の省力化支援システムの開発 |
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課題番号 | 2012021276 |
研究機関名 |
国立大学法人 千葉大学 愛媛大学 |
研究期間 | 2010-2014 |
年度 | 2012 |
摘要 | (1)生育診断ロボットの開発 スピーキング・プラント・アプローチ(SPA)の概念を取り入れた植物生育診断ロボットを開発し、太陽光利用型植物工場における現状把握の全自動化を図った。クロロフィル蛍光画像を用いた光合成機能診断については、昨年度開発したアルゴリズムのさらなる簡素化を図った。昨年度までは、インダクションカーブのP、S、Mが発現する時間帯に一定の幅を持たせ、この間の輝度値を積分した値をP、S、Mの値として計算していた。このアルゴリズムでは、カメラの画角内に植物が少ない場合には、背景の面積が大半を占めることもあり、計算値のばらつきがあった。そこで、植物体がある部分を特定し、そのエリアだけの輝度値を計算する方法と、輝度値に一定の閾値を設け、それ以上の値を示す画素の数、すなわち発光している葉の面積を比較する2つのアルゴリズムを考案した。P、S、Mのピーク値を用いる従来の手法を対象として対照実験を行った結果、前者のアルゴリズムが有効であった。これにより、より精度の高い光合成機能診断が可能となった。 (2)キュウリ収穫ロボットの開発 昨年度開発した、距離センサを用いた果実認識アルゴリズムおよびマニピュレータによる基礎実験を基に、傾斜棚栽培されたキュウリを対象とした、果実認識部、マニピュレータ、収穫用エンドエフェクタおよび走行ユニットから構成されるキュウリ収穫ロボットを試作した。走行ユニットは上記の生育診断ロボットと同じものを使用した。果実認識部は超音波センサとレーザ距離センサから構成し、超音波センサを傾斜棚に対して上方向に平行スライドさせることによって、果実の下端の位置を検出させた。次に上下方向に3対配置したレーザ距離センサを水平方向にスライドさせ、収穫適期の果実を認識させた。 マニピュレータは直角座標型とし、エンドエフェクタは把持部と果柄切断部から構成した。果柄切断部は10mm幅の溝を持つU字型プレートとその内部に切断刃を設け、さらにU字型プレートは上方向に自在に平行スライドする平行リンクを設けた。果実を把持した後、果柄切断部を果実方向へスライドさせ、U字プレートの先端が果実に接触すると上方向にスライドし、果柄の位置まで来ると溝の幅より小さい果柄は溝内に誘導され切断刃によって切断させた。収穫基礎実験の結果、基本的な収穫作業が可能であることを確認した。 |
カテゴリ | きゅうり 省力化 モニタリング ロボット |