課題名 | 施設園芸用搬送ロボットシステムによる作業支援・省力・軽労化技術の開発 |
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課題番号 | 2013023461 |
研究機関名 |
国立大学法人 千葉大学 株式会社前川製作所 |
研究期間 | 2010-2014 |
年度 | 2013 |
摘要 | (1) ソフトウエアの見直しにより安定した動作を行う。 ①ソフトウエアの見直し 昨年度、植物工場で試験を行った際、時として動作が不安定になることがあった。制御システム(ソフトウエア)を見直し、不具合の修正を行った。植物工場の床の条件(凹凸、滑り易さ等)によって、90°旋回するべき所で、旋回しきれない現象が見られた。モータの回転数で90°旋回したことを確認していたが、想定した位置まで旋回していなかったものと考えられる。誘導走行に使用している赤色のラインを利用し、赤色ラインがカメラの視野中央に来るまで旋回する方法を併用した。より確実に旋回の判定を行うために、旋回中心から離れた後進用カメラを用いることでさらに安定した旋回が可能となった。 ②ビジョンによる誘導の安定性向上 防草シートに織り込まれた赤色の糸や汚れなどの赤色成分も抽出してしまうので、これらのノイズ除去処理を加えた。また、カメラ視野全体を利用しやすくするため、光量が不足気味であった視野周辺を照明するために補助照明を新たに設けた。 (2) 作業者が操作する部分のユーザーインターフェースを改善する。 ①スイッチの位置 収穫作業時等に支援ロボットをステップ移動させるための押しボタンスイッチの位置を作業者の手元に近づけ、より操作性を向上させた。 ②タブレットを用いて操作 昨年度は、PCを用いて遠隔操作を行っていたが、タブレットPCを作業者が持ち、支援ロボットの行き先指示、2台目の支援ロボットの呼び出し等を作業者が手元のタブレットPCで行えるようにした。 ③無線通信方法の検討 植物工場内での通信を安定して行うために、電波の回り込み特性に優れた920MHz帯の機器を用いて検討を行った。植物工場での試験では、対角位置(約65m)でも安定した通信が行えた。細霧冷房による影響も見られず、この機器が有効であることが確認できた。 (3) 農場で運用試験及び効果の検証 植物工場での収穫試験より、1ha規模に拡大した場合の作業時間削減効果を試算し9.8%の削減効果が得られた。2ha規模に拡大した場合、24.9%が削減可能と試算された。農場規模が拡大すると作業時間削減効果が増大する結果が得られた。 (4) 植物工場システムの設計を行う。 検証試験結果を踏まえて設計を行い、基本的な仕様としては、Dトレイを用いた極少量培地による低段密植栽培方法とし、面積は1ha規模を想定した。 |
カテゴリ | 遠隔操作 軽労化 施設園芸 ロボット |