② 昆虫の発生分化・成長制御機構の解明

課題名 ② 昆虫の発生分化・成長制御機構の解明
課題番号 2014025637
研究機関名 農業生物資源研究所
研究分担 篠田 徹郎
塩月 孝博
小瀧 豊美
田中 良明
市川 明生
畠山 正統
中尾 肇
神村 学
秋月 岳
大門 高明
粥川 琢巳
協力分担関係 筑波大学
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要 1. 幼若ホルモン(JH)受容体を標的とした新規な昆虫制御剤を開発するために、最適化したカイコ培養細胞を用いたレポーターアッセイ系を用いて、化合物ライブラリー(約1万種)及び植物抽出物(500種)をスクリーニングし、14種のJH活性を示す化合物と147種の抗JH活性を示す化合物(植物抽出物を含む)を見いだした。
2. JH結合タンパク質(JHBP)を標的とした新規昆虫制御剤の可能性を調べるため、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を利用したJHBPアゴニストの検出法を確立した。本法を用いて9,600種の化合物をスクリーニングした結果、JHとは構造が大きく異なる候補化合物が得られた。
3. 昆虫の発育成長メカニズムの遺伝子基盤を解明するために、JH・脱皮ホルモン・インスリンの受容体、生合成遺伝子、シグナル伝達遺伝子等のノックアウトカイコを多数作出した。表現型解析で、ホルモンの生理的役割などについて遺伝学的な証拠を得ることができた。作出されたノックアウトカイコは、昆虫の成長・脱皮・変態の分子機構の統合的な理解のための極めて有用な生物資源となる。
4. ミトコンドリア膜輸送体タンパク質を標的とした新規な害虫制御剤を開発するために、重要害虫を含む昆虫23種のリン酸輸送体タンパク質をコードする遺伝子配列を決定し、11種については阻害剤スクリーニングのため酵母で発現する系へ供給した。ADP/ATP輸送体(ANTI)遺伝子は各昆虫に複数存在することがわかり、カイコの場合、ANTI1は細胞増殖に必要で、ANTI2は幼虫後期に精巣で発現することから精子形成に関与していることが示唆された。
5. 殺虫剤抵抗性のチャノコカクモンハマキ系統由来の培養細胞株の樹立に成功した。これまで殺虫剤抵抗性昆虫から培養細胞株を樹立した報告はなく、抵抗性メカニズム解明のための新規な研究ツールとして利用できる。
6. トビイロウンカの神経ペプチドや生体アミン等の膜受容体遺伝子について、RNA干渉(RNAi)による遺伝子発現の抑制により生理機能を解析した。その結果、膜受容体Nl_A42と神経ペプチドEleveninをコードする遺伝子の発現を抑制した場合にのみ脱皮後の体色が黒化することから、これらの遺伝子が体色の制御に関与することが明らかになった。Eleveninは軟体動物から30年前に発見された神経ペプチドであるが、生理作用を明らかにしたのはこれが初めてである。
7. カイコのovo遺伝子についてRNAiによる機能解析を行った。ovoは、ショウジョウバエでは剛毛や雌の生殖細胞の形成に関わるが、カイコ胚においては、RNAiにより腹部の後部体節が欠失することから、体節形成過程に関与することがわかり、カイコにはショウジョウバエでは未知の体節形成機構が存在することが示唆された。
8. カブラハバチにおいて、TALENを用いた遺伝子ノックアウト法を確立した。本手法はミツバチや寄生バチ等の有用ハチ目昆虫における遺伝子機能解析や遺伝子機能改変への応用が期待される。
カテゴリ カイコ 害虫 かぶ 抵抗性 ミツバチ 輸送

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