課題名 | ヒ素集積の異なるイネ品種・変異体の選抜と特性評価 |
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課題番号 | 2014027652 |
研究機関名 |
(独)農業環境技術研究所 独立行政法人農業環境技術研究所 |
研究期間 | 2013-2017 |
年度 | 2014 |
摘要 | 本課題では、これまで選抜したイネ品種やイネ変異体のヒ素吸収特性と栽培特性を調査し、その実用性を評価すると共に、新たにヒ素吸収の少ないイネ変異体を選抜し、品種開発に資する画期的な遺伝資源の獲得を目指すことを目的としている。その中で本年度は、低ヒ素候補変異体A3-7-23のヒ素吸収性や栽培特性の調査、および約3,000個体の中から新たな低ヒ素候補変異体の選抜を行った。得られた成果は以下の通りである:ほ場の水管理を湛水、間断灌漑、節水としてA3-7-23およびコシヒカリ等の品種を栽培し、玄米ヒ素濃度を測定した。その結果、A3-7-23やコシヒカリともに玄米ヒ素濃度は湛水で最も高く、間断灌漑、節水になるにつれ、玄米ヒ素濃度は減少して行くが、いずれの水管理でもA3-7-23のヒ素濃度はコシヒカリの30%程度低いことを明らかにした。ただし、A3-7-23はコシヒカリに比べて稈長が低く収量も低いため、栽培特性が劣っており、このままでは実用性がないことがわかった。どの時期に吸収されたヒ素が最も玄米に行きやすいのか調査するため、ある時期のみにヒ素を与えるパルス試験を行った。その結果、出穂3日前から出穂10日後にヒ素を与えると最も玄米にヒ素が移行しやすいことを明らかにした。別の低ヒ素変異体の獲得に向けて、約3,000個体のコシヒカリ変異体を栽培し、籾のヒ素濃度から低ヒ素候補変異体を選抜した。その結果、コシヒカリの約半分濃度となる23個体の候補変異体を獲得することに成功した。以上、本年度は計画通り実施することができた。 |
カテゴリ | 遺伝資源 品種 品種開発 水管理 |