水管理を利用したヒ素・カドミウムの同時低減技術の開発

課題名 水管理を利用したヒ素・カドミウムの同時低減技術の開発
課題番号 2014027654
研究機関名 (独)農業環境技術研究所
独立行政法人農業環境技術研究所
研究期間 2013-2017
年度 2014
摘要  間断灌漑期の灌漑からの経過日数と気相率および酸化還元電位の変化の関係、およびそれらが溶存ヒ素・カドミウム濃度に与える影響を明らかにするために、類型の異なる水田圃場(秋田腐植質グライ低地土、新潟細粒質斑鉄型グライ低地土、滋賀グライ低地土および大阪細粒質普通灰色台地土)において、中干し後の水管理が異なる処理区(出穂前後各3週間湛水区、灌漑間隔6日および8日の間断灌漑区)における気相率、酸化還元電位、溶存ヒ素およびカドミウム濃度の経時的変化のモニタリングを行った。溶存ヒ素・カドミウム濃度と生育期間中の作物体中ヒ素およびカドミウム濃度の関係についても調査を継続した。これらにより、気相率に着目した適切な水管理により溶存ヒ素およびカドミウムを低濃度に保ち、水稲によるヒ素・カドミウム吸収を同時に低減するための技術の開発とその現場適用性の検証のためのデータを取得した。
 その結果、溶存総ヒ素濃度は出穂前後各3週間湛水区では継続的に上昇したのに対し、間断灌漑区では気相率と酸化還元電位に応じて増減を繰り返しながら低めに推移すること、溶存総ヒ素・カドミウムとも、3~5日間の田面水残存期・消失期に著しく濃度が変化しうることを明らかにした。灌漑からの経過日数との関係でみると、溶存ヒ素濃度は灌漑約4~5日後、田面水消失による気相率と酸化還元電位の上昇とともに急減する傾向があったが、灌漑間隔6日では濃度が低下しきれない場合も見られた。灌漑間隔8日では溶存ヒ素は低濃度に抑えられたが、田面水消失後、溶存カドミウム濃度が日数の経過とともに上昇した。溶存カドミウム濃度の上昇は気相率が0.10 m3 m-3に達すると著しかった。また、生育期間中の作物体地上部・茎葉部の総ヒ素およびカドミウム濃度には、溶存総ヒ素・カドミウム濃度と類似した違いが処理区間で見られることを明らかにした。
カテゴリ 水田 水管理 モニタリング

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