課題名 | ④ 家畜の行動・繁殖の制御機構の解明 |
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課題番号 | 2015027899 |
研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | 1.ドーパミン前駆体の投与は暗期の照明曝露による成長ホルモンのピーク出現の遅延には影響を及ぼさなかったことか ら、光曝露による成長ホルモン分泌抑制には、ドーパミン系以外の調節機構が関与していることが示唆された。 2.母親のグルーミングを代替する子ウシ疑似グルーミング装置は、哺乳ロボット育成牛群でも継続的に利用され、一時的に牛の行動に影響を及ぼしたが、効果は短期的であった。利用農家へのアンケートの結果、子ウシ疑似グルーミング装置は概ね良好であり、牛は装置をよく利用し、活発になり、健康になったという印象であった。人に懐くようになったという印象を特に強調されていた。 3.ウシの新たな卵胞発育制御剤の開発のため、ニューロキニン作動薬の血中への単回・持続投与後の弓状核神経活動の変化を指標に、ニューロキニンB受容体へ最も効果の高い新規化合物の選定を行った結果、既存化合物senktideを凌ぐ強力な作用を持つPEG修飾体であるB21:750を選定した。 4.片側弓状核のKNDy神経細胞群にニューロキニンを局所微量投与した際に起こる左右のKNDy神経細胞の同調活動は、ニューロキニンがKNDy神経細胞自身に作用した結果であることを確認した。また、ダイノルフィンのKNDy神経細胞活動抑制作用は、周囲に存在するGABA含有介在神経ニューロンを介している可能性を示し、キスペプチン神経細胞活動制御機構の解明を進めた。 5.妊娠15日と18日の黄体では、非妊娠黄体と比較してペルオキシソーム増殖因子活性化受容体 (PPARD) の発現が高く、チトクロー ムP450c21A2遺伝子 (CYP21A2) の発現が低いことが明らかとなり、PPARDが黄体細胞と血管内皮細胞の核に、CYP21A2が黄体細胞の細胞質にそれぞれ局在することが示されたことから、両遺伝子が新たな超早期妊娠診断の指標となり得ることが示された。 6.ウシ子宮では着床期前後において血管数及びリンパ管数が増加することを示し、ウシの妊娠制御メカニズムの解明を進めた。 7.妊娠期間中の母体末梢血中アドレノメデュリン濃度は妊娠0週に対し37週(分娩約2週前)で有意な増加が見られ、妊娠末期の血中濃度の増加が分娩の接近と関連しており、分娩兆候の予察の指標として有効である可能性が示された。 |
カテゴリ | しそ 繁殖性改善 ロボット |