⑤ 昆虫に関わる生物間相互作用の解明と利用技術の開発

課題名 ⑤ 昆虫に関わる生物間相互作用の解明と利用技術の開発
課題番号 2015027904
研究機関名 農業生物資源研究所
研究期間 2011-2015
年度 2015
摘要 1.キチョウにおいてはこれまでZ染色体を2本持っている遺伝的なオスが細胞内共生細菌であるボルバキアによってメス化されていると考えられていたが、Z染色体上の遺伝子の相対的存在量、及びその遺伝様式を調査した結果、定説に反してそうした個 体はZ染色体を1本しか持たず、基本的にメス型のゲノムを持っていることが明らかとなった。
2.昆虫病原糸状菌に対する抵抗性候補遺伝子をカイコで同定した。さらにTALエンドヌクレアーゼを用いてこの遺伝子に欠失を生じ させたカイコを作出し、糸状菌接種による感受性調査を行ったところ、野生型カイコと比較し、有意に感受性が高まることが示された。
3.トビイロウンカが媒介するイネ病原ウイルスであるイネグラッシースタントウイルスのコートタンパク質とトビイロウンカの細胞質アクチンタンパク質が結合することをプルダウンアッセイ法で確認した。また、別のイネ病原ウイルスであるイネラギッドスタントウイルスの感染量の増大によって有意に発現量が上昇するトビイロウンカ遺伝子を2種類同定した。
4.果樹の重要害虫ゴマダラカミキリに有効な防除法を開発するために、防除資材としてコンタクトフェロモンの可能性を検討した。必須成分と推定されたゴマダラクトンCの合成に初めて成功し、ゴマダラクトンCにメス粗抽出物に匹敵する高いコンタクトフェロモン活性が確認された。立体異性体にも同等の活性が認められ、より単純な化学構造の類縁体にも反応する可能性が示唆された。
5.土着天敵ヒメハナカメムシ3種について、オクラ真珠体への反応を分析した結果、ナミヒメハナカメムシの定着行動が真珠体に依 存していることが判明した。コヒメハナカメムシの性フェロモンの探索を行った結果、成熟メス足跡に含まれるモノアルケンの一種がオスの定着行動を解発することが判明した。また、ナス露地圃場に405nmのLED照明装置を設置して、ナミヒメカメムシの光による誘引・定着効果の実証試験を実施した。
6.野外生態系における捕食を介した種間相互作用(食物網)を解明するために、天敵特異的なペプチド核酸プローブと昆虫群特異的なユニバーサルプライマーを用いたPCRクランピング法を新たに開発した。この技術によって、野外採集した捕食性天敵ヒメハナカメ ムシの中腸に残存する被捕食昆虫の未消化DNAを簡便かつ網羅的に増幅することが可能になった。
カテゴリ オクラ カイコ 害虫 カメムシ ごま 性フェロモン 抵抗性 土着天敵 なす フェロモン 防除

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