課題名 | ① 遺伝子組換え作物の開発技術の高度化とその利用 |
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課題番号 | 2015027906 |
研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | 1.スギ花粉症治療米の開発に関しては、治験の実施を目指し、外部機関と協力し、臨床試験実施体制の構築準備を進め た。また治験薬製造に向け、スギ花粉症治療米の実用化時の栽培管理体制等を明確にした後、農林水産大臣・環境大臣に、スギ花粉症治療イネの第一種等使用等規程の承認を申請した。策定した農業生物資源研究所の定めた栽培自主基準 (NIAS-GMFP) に従って、生物 研隔離ほ場での野外栽培を管理し、前臨床試験等で用いる試料として、約 300 kg (粗もみ重) のスギ花粉症治療米を収穫した。 2.in vitro にて生理活性保持が示唆された、RSIS 活用型ヒトインターロイキン-10 (hIL-10)発現イネ種子について、腸炎発症型 IL-10 KO マウスへの経口投与試験を実施して、in vivo での hIL-10 種子の生理活性を明らかにするとともに、hIL-10 種子の経口投 与により、従来困難とされてきた腸炎治療の可能性を示した。 3.有用組換えタンパク質をより安定的に高集積させるため、組換えタンパク質の細胞内輸送時の通り道となる小胞体におけるストレス応答 (小胞体ストレス応答)に関する研究を進めた結果、イネ小胞体ストレス応答関連遺伝子発現誘導には、IRE1/OsbZIP50 を介す る経路とS1P、S2P/OsbZIP39、OsbZIP60 を介する経路があり、①IRE1/OsbZIP50 依存的に発現する遺伝子群、②S1P、S2P/OsbZIP39、OsbZIP6依存的に発現する遺伝子群、③両方の経路により、冗長的に発現する遺伝子群に分類されることを明らかにした。また IRE1 タンパク質において、小胞体ストレスが強まった際、一部の分泌タンパク質や種子貯蔵タンパク質遺伝子のmRNA を分解する機能 (RIDD)を有することを示した。 4.Paenibacillus popilliae Semadara株由来の殺虫タンパク質を過剰発現する葉緑体形質転換タバコを作出し、蓄積量、殺虫効果を確認した。その後、第一種使用等の承認を得て隔離ほ場栽培を行い、特性調査を実施した。葉緑体形質転換タバコでは初期生育の遅れが確認されたが、最終的なバイオマス量は非形質転換体と差が見られなかった。また、生産されたCry43Aa1タンパク質量に関するデータを得、実用化に向けたコスト計算を実施した。 |
カテゴリ | コスト 栽培技術 たばこ 輸送 |