| 課題名 | ④ 生物素材の高度利用技術の開発 |
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| 課題番号 | 2015027909 |
| 研究機関名 |
農業生物資源研究所 |
| 研究期間 | 2011-2015 |
| 年度 | 2015 |
| 摘要 | 1.オニグモ牽引糸タンパク質を発現する2つの遺伝子組換えカイコ系統(中KH29c,中KH30c)の交配F1(中KH29x30c)が 持つ導入遺伝子(全てヘテロ)をホモ化した系統を樹立することで、クモ糸タンパク質の発現量が向上した系統を作出することに成功した。中KH29x30cのsib交配を13世代繰り返すことでクモ糸遺伝子が4座でホモ挿入された系統が樹立できた。 2.ゲノム編集によるシルク改変の可能性を実証するために、フィブロインH鎖遺伝子の反復領域を短縮したカイコ系統を作製し、分 子量が野生型の約6分の1のフィブロインH鎖タンパク質からなる繊維を吐糸することを確認した。物性測定及び構造解析の結果、脆く 切れやすい物性の原因が結晶構造の乱れにあることが示唆された。 3.遺伝子組換えカイコ技術を利用して、絹タンパク質に直接抗体分子を融合・発現させ、抗体が持つ特異的な結合活性を有する新しいバイオ担体“アフィニティーシルク”について、これまでに6種類の抗原に対応する8種類のアフィニティーシルクを発現する遺伝子組換えカイコをそれぞれ系統化した。系統化したカイコの繭からシルク水溶液を得る方法や、絹糸腺からシルクタンパク質を得るための条件を確立した。 4.クリック反応による選択的な修飾が可能なアジド基をもつ非天然アミノ酸(4-アジドフェニルアラニン:AzPhe)を導入したシル クを生産し、糸・フィルム・スポンジの3つの材料形態へ加工した。いずれの材料形態においても、アジド基選択的にクリック反応が 進行することが明らかとなり、材料成形後の選択的修飾が可能であることが示唆された。 5.医療用途に適したフィブロイン原料として、ほぼ未分解のフィブロインを、脱セリシン過程では水を使わずに、エンドトキシンの混入を遮断したプロセスで高純度フィブロインフィルムを作製する技術を開発した。さらに、この方法で作製したフィルムは水に対して不溶性を示し、従来法で作製したフィルムとは物性が異なることが分かった。構造解析の結果からβシート構造の形成が起因していることを明らかにした。 6.ホーネットシルクの水溶液をゲル化させた後プレス成型することで得られるゲルフィルムは通常のキャストフィルムに比べ優れた力学物性を示す。この優れた物性発現のメカニズムを解明するため、高強度放射光X線を用いた詳細な構造解析を試みた。その結果、 ゲルフィルムは高い周期性を有するコイルドコイル構造から形成され、かつそれらが高度に面配向していることが明らかとなり、このような高い秩序構造の形成がゲルフィルムの優れた物性発現を与えていることがわかった。 |
| カテゴリ | カイコ 加工 |