課題名 |
施設野菜の輪作体系における施肥対応技術の開発 |
研究機関名 |
地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部道南農業試験場
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研究分担 |
研究部生産環境グループ
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研究期間 |
完H25~27 |
年度 |
2015 |
摘要 |
〇研究の目的: 1作目に早春まき野菜を作付けする施設栽培の輪作体系において、2作目の施肥設計を行うにあたり、土壌分析の実施が困難な場合に、適正な窒素施肥量を算出するための施肥対応技術を開発する。 、〇研究内容 、 1)土壌残存窒素推定法の検討 、 2)施設野菜収穫後のすき込み残渣の窒素評価 、 3)土壌残存窒素および残渣由来窒素推定による施肥対応の実証 、〇成果概要: 1)土壌の仮比重を1と仮定し、深さ0~20cmの土壌を対象に、作付前の土壌硝酸態窒素濃度、窒素施肥量および全窒素吸収量から収穫跡地の硝酸態窒素濃度を推定する式を考案した。得られる値を「残存窒素推定値」(残存N推定値と表記)と呼ぶ。、 2)はくさい、レタス、ほうれんそうおよびかぶの収量(はくさい、レタスは結球収量)と全窒素吸収量の間には相関係数 各0.90、0.86、0.84および0.97の高い正の相関関係があった。このことから、これらを変数とする回帰式を用いることにより収量から全窒素吸収量を推定した。、 3)残存N推定値と実測値を比較し、施肥ガイドで示す窒素肥沃度水準の各範囲への分布を調べた結果、53点中37点(69.8%)が同じ水準に含まれ、全ての点が1段階低い水準から1段階高い水準の中に含まれていたことから、推定法として適当と判断した。、 4)埋設試験による外葉の窒素消失率は、はくさいが14日目で73.1%、レタスが21日目で70.6%に達し、それ以降は消失が緩慢になったことから、外葉窒素吸収量の70%を窒素肥料成分と見なすことができる。外葉由来の減肥可能量を「残渣由来減肥可能窒素量」(残渣由来減肥N量と表記)と呼ぶ。、 5)残存N推定値および残渣由来減肥N量を用いて施肥対応を行いトマトを栽培した時の果実収量、乾物重および窒素吸収量は、土壌分析に基づく施肥対応と同程度に得られた。、 6)以上から、土壌残存および残渣由来窒素推定による窒素施肥対応は、土壌分析による施肥対応の実施が困難な施設栽培の輪作体系において、有効な手段であると考えられた。
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カテゴリ |
かぶ
施設栽培
施肥
トマト
はくさい
ほうれんそう
輪作体系
レタス
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