課題名 | 施設ブドウのコナカイガラムシ類防除対策の確立 |
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研究機関名 |
岡山県農林水産総合センター 農業研究所 |
研究分担 |
病虫研究室 |
研究期間 | 継H30~R02 |
年度 | 2019 |
摘要 | 目的:岡山県特産の施設ブドウ栽培では、薬剤抵抗性が発達しているハダニ類防除のために天敵を利用した防除が行われているが、天敵に影響のある化学農薬の使用を制限したことで、これまで問題となっていなかったコナカイガラムシ類の被害が顕在化してきている。さらに、コナカイガラムシ類は加温条件により発生時期が異なるため、薬剤による適期防除ができず被害の拡大に繋がっていると考えられる。そこで、ハダニ類防除に天敵を利用しつつ、コナカイガラムシ類を効果的に防除する体系を確立する。 成果: 1.コナカイガラムシ類の発生生態の解明 現地加温栽培圃場において、見取り及び性フェロモントラップの2種類の方法で発生消長を調査した。その結果、本年度の調査ではすべての圃場で発生虫数が少なく、越冬世代発生時期や世代数は判然としなかった。 2.効果的な薬剤の選抜と防除体系の確立 ①薬剤の防除効果の検討:フジコナカイガラムシについてリーフディスク法により薬剤感受性を検定した。試験は1齢幼虫、2齢幼虫、3齢幼虫及び卵のうの4ステージで実施した。その結果、1~3齢幼虫については、トクチオン水和剤、トランスフォームフロアブル及びモスピラン顆粒水溶剤の効果がいずれのステージにおいても高かった。卵のうについては、トクチオン水和剤、モスピラン顆粒水溶剤、トランスフォームフロアブルの3剤で効果が高く、いずれも孵化後に効果が発現していた。 ②防除体系の組み立て試験:クワコナカイガラムシが優占種である1月中旬~3月加温の現地4圃場、フジコナカイガラムシが優占種である1月上旬~3月加温の現地3圃場の計7圃場において、発芽前に散布するスプラサイド水和剤(1,500倍)をトクチオン水和剤(800倍)に変えた場合の防除効果の検討を行った。その結果、すべての圃場で前年度作と比較してカイガラムシ類の発生虫数が1作を通して少なく推移し、収穫果房の被害果房割合も低くなった。 |
カテゴリ | 病害虫 性フェロモン 抵抗性 農薬 ぶどう 防除 薬剤 |