課題名 | 森林生物の多様性と機能解明に基づく持続可能性に資する研究開発 |
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研究機関名 |
国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究分担 |
研究ディレクター |
研究期間 | 2021-2025 |
年度 | 2021 |
摘要 | 周食散布型の樹木及び貯食散布型の樹木では、春夏結実の種では母樹より高標高(気温がより低い場所)に、秋冬結実の樹種では母樹より低標高(気温がより高い場所)に種子が散布されていることを明らかにした。これは、秋冬結実の種は春夏結実の種よりも気候の温暖化に対して脆弱である可能性を示唆するものである。また、阿武隈山地の天然林でブナ科5種の約30年間の堅果生産データを解析し、近年の豊凶変化が樹木更新を低下させていることを明らかにした。 外来生物法で侵略的外来種に位置付けられているクリハラリスの高密度個体群に防除を実施して密度の変化が在来の生物に及ぼす影響を調べ、クリハラリスの高密度生息期には、スズメバチ類と枯死木依存性⼤型昆虫が少なく、また、このリスによるカラスバト卵の捕食頻度が高かったことが示された。 マレーシアの森林における倒木の炭素蓄積量を明らかにし(原⽣林48.8Mg/ha、⼆次林14.6Mg/ha)、菌の種数・発生数は炭素蓄積量に比例すること、⼆次林も高齢になれば原⽣林と同等の炭素蓄積量となり枯死木依存性生物の保全という共便益が発生することを明らかにした。 スギの雄花に特徴的な遺伝情報を抽出することを⽬的に、スギの3器官(雄花・針葉・内樹皮)の発現遺伝子(mRNA)49,795 本の塩基配列を解読し国際塩基配列データベースに登録した。また、宮崎県綾町にある成熟した常緑広葉樹林の調査を行い、ここ数年間の台風等による撹乱がなかった期間の動態情報を得た。 |
キーワード | 気候変動、種子散布、マスティング、天然更新、侵略的外来種、生物多様性、森林動態、長期モニタリング |
カテゴリ | くり データベース 防除 モニタリング |