3 生産性・市場性の高い産地形成に関する技術開発 (1) 秋サケ増殖に関する研究

課題名 3 生産性・市場性の高い産地形成に関する技術開発 (1) 秋サケ増殖に関する研究
研究機関名 岩手県水産技術センター
研究分担 漁業資源部
研究期間 継R1~R5
年度 2021
摘要 目的:回帰予測の精度向上を図り、安定した秋サケ増殖事業の実践に資するほか、近年の資源変動要因の解明に寄与する。また、最適な飼育環境の検証と併せて、沿岸の高水温化に対応した飼育放流方法の技術開発及び民間ふ化場への技術移転により、秋サケ回帰尾数の回復を図る。
計画:①R3年秋にそ上した親魚のモニタリング調査を津軽石川、織笠川及び片岸川で継続実施し、年齢査定結果を元にシブリング法により回帰予測を行う他、長期的な体サイズや繁殖形質を把握し、長期的な資源変動要因解明の資料とした。
②指導調査船を用いて、幼稚魚の分布及び成長を把握し、回帰予測に用いるとともに長期的な資源変動要因解明の資料とした。
③餌料比較試験(アスタキサンチンオイル添加等)、北上川水系産サケと沿岸河川産サケとの成長比較試験、遊泳力強化試験(強化区と対照区)、飢餓耐性試験を実施した。 
④海中飼育方法の改良試験(短期間飼育および飼育網の大目化)を実施した。
⑤R4年春に③と④により耳石温度標識放流した稚魚の追跡調査を行った。
成果:①R3年秋のそ上親魚は、各年級ともそ上尾数が少なかった中で3歳魚の割合が上昇し、津軽石川で5歳魚の割合が上昇し、4歳魚の割合が低下した。また、予測62万尾を大きく下回る14尾の実績となった。4歳魚の肥満度は、低下傾向を示しており、片岸川のメスでは極端に低い値を示した。
②R3年春の幼稚魚の分布密度は、過去最低であった前年度と同様にの0尾/km2となった。
③餌料の違いについて、令和2年級でフィードオイルを添加した試験区が、60日飼育後に有意な体重増加が確認された。また、砂鉄川由来のサケ稚魚と安家川由来のサケ稚魚の成長は、明確な成長差は見られなかった。さらに、遊泳力を計測した結果、共に1g台まで上昇傾向を示し、河川による違いは認められなかった。
④R2年級は海中生簀収容から20日間程度成長が停滞した。一方、改良大目網海中飼育群では、大目網部分落網後に成長が促進され、85日間の飼育試験終了時には平均体重8gで放流した。
⑤R3年春、釜石湾、山田湾、唐丹湾において火光利用敷き網調査により663尾の稚魚を採捕し、そのうち耳石温度標識漁は100尾であった(事業外の標識を含む)。各試験の採捕尾数は、短期海中飼育群8尾、改良大目網飼育群15尾、通常海中飼育26尾に対して河川放流群22尾であった。また、まき網調査では、376尾の稚魚を採捕し、そのうち耳石温度標識漁は152尾であった(事業外の標識を含む)。各試験の採捕尾数は、短期海中飼育群29尾、改良大目網飼育群1尾、通常海中飼育13尾に対して河川放流群41尾であった。
残された課題:
①回帰不振に関する原因究明。
②最適な飼育及び放流方法探索の継続。
③飼育放流試験による回帰親魚のモニタリングと解析。
カテゴリ 繁殖性改善 モニタリング

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