課題名 |
カンキツ等果実における有機酸の分析法の確立及びデータの評価に関する研究(166) |
課題番号 |
1996001364 |
研究機関名 |
果樹試験場(果樹試)
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研究分担 |
口之津・栽培研
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研究期間 |
継H06~H10 |
年度 |
1996 |
摘要 |
カンキツ果汁の滴定酸含量と液体クロマトグラフによる有機酸含量測定値の差は一定ではなく、品種により異なった。このため、滴定酸のみから全酸含量を推定するのは誤差が大きくなると考えられた。滴定酸と液体クロマトグラフによる測定値との差、すなわち結合酸含量とカチオン含量とは相関が高く、カチオン含量(当量値)は結合酸含量の60%以上であった。また、カチオンではカリウムが当量値のほぼ50%以上を占めていた。このように、結合酸全体のうち40~70%程度がカリウムで中和されていた。すなわち、結合酸含量は当量値でカリウム含量の1.4~2.5倍であった。以上の事から、食味としての有機酸(滴定酸)ではなく、栄養素としての有機酸(全酸)含量を知るには、結合酸含量として当量値でカリウム含量を1.4~2.5倍した値を滴定酸含量に加える必要があった。しかし、結合酸の含量及びそのうちのカリウムの比率にはかなりの変動があるため、基本的には滴定法による測定値から推定するよりも液体クロマトグラフ等により全酸含量を直接測定することが望ましいと考えられる。
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カテゴリ |
栽培技術
成熟異常
品種
良食味
その他のかんきつ
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