課題名 |
根圏のイオンストレス環境に対する植物の応答反応と耐性獲得機構の解明(105) |
課題番号 |
1997000697 |
研究機関名 |
農業環境技術研究所(農環研)
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研究分担 |
環境資源・土壌生化研
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研究期間 |
完H07~H09 |
年度 |
1997 |
摘要 |
低リン酸肥沃土壌からのリン酸吸収能力に優れたラッカセイのリン酸獲得機構として、根細胞壁による難溶性リン酸溶解能力について検討した。ラッカセイ根細胞壁は、ダイズ・トウモロコシ・ソルガム根細胞壁に比べ、ストレンジャイト等の鉄およびアルミニウムと結合した難溶性リン酸鉱物からのリン酸溶解能力が高かった。ラッカセイ根細胞壁のリン酸溶解活性部位について解析するために、各種要因と活性の関係を検討した。根細胞壁の溶解活性は、各種作物根の塩基置換容量(CEC)とは対応していなかった。また、ラッカセイ根細胞壁の活性は、加熱処理・酵素(セルラーゼ・マセロチーム・ドリセラーゼ)処理によっても維持されたが、酸加水分解処理により失活した。以上より、ラッカセイは根細胞壁による接触的な反応により、土壌粒子上の難溶性リン酸を溶解・吸収するという新たな養分吸収機構が提示された。また、この活性はCECの主体であるペクチン質等のポリアニオンと鉄・アルミニウムとの交換的な反応に起因するものではないが、細胞壁を構成する何らかの化学構造が関与しているものと推察した。
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カテゴリ |
ソルガム
大豆
とうもろこし
らっかせい
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