課題名 |
クワ炭そ病の感染および発病機構の解明(161) |
課題番号 |
1997003617 |
研究機関名 |
蚕糸・昆虫農業技術研究所(蚕糸昆虫研)
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研究分担 |
生産技術・桑病害研
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研究期間 |
継H05~H09 |
年度 |
1997 |
摘要 |
クワ炭そ病菌Colletotrichum dematiumによる本病の発生消長を知る目的で、圃場における自然発病の定点調査を行った。また、時期別および葉位別クワ葉の本病に対する感受性の差異について、接種試験により検討した。その結果、3年間の定点調査では、いずれの年も調査開始月の8月で発病葉数は少ないが、その後次第に増加し、11月で最も多くなった。これらの発病をクワ葉の着生部位(高さ)別に比較した場合、いずれの月も地面に近い部位の葉での発病が多く、10月及び11月には中間や上部の葉でも発病が多くみられた。このことから、本病は地表面付近の葉で発生が始まり、それがやがて上部に移行して蔓延すると推察された。また接種試験では、その接種した月により変動がみられたものの、下位葉より上位葉で発病し易い傾向が見られた。すなわち、自然発病では起点となっていた下位葉は、上位葉より抵抗性であった。これらの結果から、本病の初期発生はクワ葉の感受性の差異より、本菌の越冬源と考えられる圃場表面からの距離という物理的条件に大きく支配され、その後の感染拡大は垂直的な伝染により引き起こることが推察された。
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カテゴリ |
害虫
桑
効率的生産技術
抵抗性
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