摘要 |
ロシアから導入した遺伝資源から、褐斑病抵抗性に関して育種素材として選抜・育成した系統の同病害抵抗性を評価するとともに、新たにロシアから導入した系統・品種の褐斑病抵抗性の評価を行った。ロシア・ノボシビルスク細胞遺伝学研究所から導入した褐斑病抵抗性を有する系統に関しては、多胚二倍体花粉親系統として選抜を進めた8材料からなる母系134系統について褐斑病抵抗性を検定した結果、いずれの母系系統も標準品種「モノホマレ」、参考品種「モノホワイト、モノエース・S」より抵抗性が強く、同病に対して抵抗性が“強””の品種「導入2号」並又はそれ以上の抵抗性を示す系統が認められた。これらの結果に基づき、抵抗性の強い有望系統を明らかにし、さらに選抜を進めた。9年度に導入した遺伝資源6系統(雄性不稔系統)について褐斑病抵抗性を検定した結果、いずれの系統も罹病性で標準品種「モノホマレ」並か以下であり、本系統の育種的利用の可能性が無いことを明らかにした。単胚性に関てしは、複胚珠性に関する分離検定結果から、てんさいの単胚果実における複胚珠性は微動遺伝子(ポリジーン系)により支配されていること、また、自殖因子と胚数性との関係については、同様に複胚珠性の分離検定結果から、遺伝子の相加的効果とは別の因子の存在することを突き止めた。
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