オオヒメグモの過冷却点はいかにして決まるか

課題名 オオヒメグモの過冷却点はいかにして決まるか
課題番号 1999002528
研究機関名 北海道農業試験場(北海道農試)
研究分担 生産環境・虫害研
研究期間 単H10~H10
年度 1999
摘要 これまでの研究から、オオヒメグモの体組織の凍結開始温度(過冷却点)を規定する要因として消化管内容物の重要性が明らかになっている。今回は、市販されている氷核活性物質(氷核活性をもつキサントモナス菌体破砕物)を用い、この点をさらに検討した。すなわち、氷核活性物質を摂取したキイロジョウジョウバエと摂取していないハエ、およびこれらを食べたクモの過冷却点を比較した。氷核活性物質を摂取したハエの過冷却点は上昇し、またこれを食べたクモの過冷却点も上昇した。一方、氷核活性物質を摂取しなかったハエおよびそれを食べたクモの過冷却点は低いまま保たれた。このことはハエに施用した氷核活性物質は摂食にともないクモにも取り込まれるだけでなく、クモの体内でも引き続きその凍結能力を発揮することを示している。現在、殺虫剤の代わりに氷核活性物質をもちいた害虫管理システムの研究が欧米を中心になされているが、そのほとんどは氷核活性物質が害虫の耐寒性に及ぼす影響の解析のみに終始してきたきらいがある。今回の結果は、施用された氷核活性物質は害虫のみならずその捕食性天敵の耐寒性にも影響をおよぼすことを示している。現場での施用に際しては、捕食性天敵に与える影響を少なくするような施用法や施用時期を検討する必要がある。
カテゴリ 害虫 寒地 管理システム 耐寒性

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる