課題名 | 休眠制御によるオウトウの効率的開花結実調節技術(175) |
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課題番号 | 170 |
研究機関名 |
果樹試験場 |
研究分担 |
栽培・気象生態研 |
研究期間 | 完7~11 |
年度 | 2000 |
摘要 | オウトウの施設栽培振興のため、自発休眠と他発休眠を完了させるために必要な環境条件を明らかにし、また暖房施設栽培における裂果発生機構を解明した。実験により処理温度と自発休眠覚醒までの時間の関係が0から15℃の範囲で明らかになった。15℃以上の温度処理では自発休眠覚醒に至らなかった。この結果から,発育速度モデルを構築した。露地での自発休眠覚醒期を推定し実際の自発休眠覚醒期とよく一致していたことからモデルの有効性が示された。他発休眠についても同様にモデルを構築し、モデルの有効性も確認された。制御された環境条件と果実への水の出入りとの関係を解析し、樹体の蒸散が抑制される高湿、寡照条件下で果実が異常に肥大し,果実の吸水・肥大は主として夜間に起こることが明らかになった。裂果も主として夜間に起こることから,裂果と果実肥大の関係が示唆されたが、裂果を果実肥大だけから説明するのは難しかった。一方、オウトウ栽培施設内の気象条件と裂果状況を毎日調査した結果,日中の大気飽差が低く蒸散が抑制される日や,夜間に果実表面に結露しやすい日ほど翌朝に裂果が多発する傾向があった。以上のことから、施設内における裂果は,日中に蒸散が抑制されるなどして果実が一層肥大し、果皮の膨圧が高まったところへ、夜間に結露がおこり、水が果実に浸透する結果引き起こされるものと推定した。 |
カテゴリ | おうとう 温度処理 環境制御 施設栽培 |