課題名 | カンキツソローシス様症状の病原体の探索(186) |
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課題番号 | 179 |
研究機関名 |
果樹試験場 |
研究分担 |
保護・病原機能研 保護・病原機能研 |
研究期間 | 完9~11 |
年度 | 2000 |
摘要 | カンキツソローシス病は、海外で被害の大きなウイルス病として知られている。わが国のカンキツ(ユーレカレモン)に見いだされた類似症状について病原体の探索、検定法の開発を行った。罹病カンキツ組織を接種源とした汁液接種では、Chenopodium quinoa(キノア)のみが全身に症状を呈した。キノアの接種葉には、不明瞭な退緑斑点が生ずることも時にあった。上葉には、退緑斑点、葉脈透化などの症状が生じた。発病キノアからカンキツ苗(エトログシトロン)への切り付け接種による戻し接種にも成功し、キノアに伝染した病原体が、本症状の原因と考えられた。キノアへの汁液伝染には、0.07Mリン酸緩衝液(pH7.0)などが適しており、キノアを用いた検定法を確立した。本病原体は、カンキツトリステザウイルス、温州萎縮ウイルス、カンキツタターリーフウイルス(リンゴステムグルービングウイルス)、カンキツリーフルゴースウイルス、citrus variegation virusの抗血清との反応が認められなかった。Dip法、超薄切片法による電子顕微鏡観察では、ウイルス粒子、あるいは特徴的な組織の変性は見出されなかった。以上、各種植物への接種試験や血清学的試験等の結果から、本症状は既知の病害とは異なることが示唆されたので、カンキツ退緑斑紋病と仮称した。 |
カテゴリ | 病害虫 害虫 キノア 防除 りんご レモン その他のかんきつ |