課題名 |
PCR法によるワタアブラムシのクローン判別法の開発(255) |
課題番号 |
253 |
研究機関名 |
果樹試験場
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研究分担 |
カキブドウ・虫害研
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研究期間 |
完5~7~(9)~(11) |
年度 |
2000 |
摘要 |
各種薬剤に対して感受性の異なるワタアブラムシ約50クローンに対して、22種のランダムプライマーを用いて増幅断片を比較する(RAPD)とともに、ITS2領域のほぼ1000塩基を解読した。ITS2領域には、21箇所に変異がみられた。この結果を近隣結合法により比較して、系統関係を解析した結果、寄主選好性で比較的明瞭に分かれる3~4のグループに分かれた。ナスを選好するグループとキュウリを選好するクローンは別のまとまったグループを形成した。キュウリグループの中にアカネのクローンが含まれた。また、ナシとカンキツを選好するグループも形成され、この中にはキュウリとナス両方を選好する系統も含まれた。またムクゲから得られたクローンは、もう1つ別のグループを形成した。この結果は、RAPDによる結果と全体的には一致していた。これらのことからクローンをグループに判別できたが、他種との比較ができないことと、系統関係の信頼性を高めるためにほかの遺伝子部分の解析が残された問題である。薬剤抵抗性についてはどのグループにも出現したことから、多起源であることが推定された。これについては、抵抗性関連遺伝子の解析が必要である。本研究の成果は発生予察の基礎データとなるとともに、種内分化に関する基礎的知見となる。
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カテゴリ |
害虫
きゅうり
抵抗性
なす
薬剤
わた
その他のかんきつ
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