植生構造動態モデルによる植物群集変動の推定システムの開発(165)

課題名 植生構造動態モデルによる植物群集変動の推定システムの開発(165)
課題番号 153
研究機関名 農業環境技術研究所
研究分担 環境生物・植生生態研
環境資源・大気生態研
企画調整・地球チーム
研究期間 完9~11
年度 2000
摘要 衛星データを導入できるようにデザインされた植生分布の動態を記述する数理モデル(植生構造動態モデル)を構築し、広域的な植物群集変動の推定システムを開発すること目的とした。まず、2時期(1986年7月28日と1997年7月19日)のランドサットTMデータを用いて、同じ地点を教師とする土地被覆分類を行い、日光戦場ケ原の植生変動を解析した結果、ズミなどの木本種や乾性草本種の侵入に伴う湿原域の縮小が検出された。また、2時期の植生分布についてマルチフラクタル解析を行ったところ、面積が縮小した湿原のマルチフラクタル次元の最大値は減少し、面積が拡大した乾性草原のそれは上昇した。そこで、個々の種が示したマルチフラクタル次元を数理モデルに導入するため、植生構造動態モデルとして1種系の格子モデルを構築し、数値実験を行った結果、競合の強さおよび競合の非対称性が小さいほどマルチフラクタル次元の最大値は減少することが判明した。すなわち、植生分布のマルチフラクタル解析から植生構造動態モデルの相互作用パラメータ(競合の強さと非対称性)を導くことが可能であることを明らかにした。以上より、植生分布のマルチフラクタル解析と植生構造動態モデルの組み合わせによる植物群集変動の推定システムを開発した。
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