食植性昆虫の人工飼料の開発(145)

課題名 食植性昆虫の人工飼料の開発(145)
課題番号 139
研究機関名 蚕糸・昆虫農業技術研究所
研究分担 生産技術・人工飼料研
研究期間 完5~11
年度 2000
摘要 植食性昆虫の人工飼料の開発に資するため、植物が持つ栄養物質の摂取阻害機構とそれに対する昆虫の適応・対抗機構について検討し、さらに人工飼料の開発を試み、以下の結果を得た。クチナシ、ニワトコ、クワ、イボタ等与えた植物をエリサンは良く摂食したが、多くがエリサンに対し顕著な成長阻害活性を示した。しかし、成長阻害活性の多くは葉を蒸すと失われた。この結果は人工飼料作成時における植物材料の処理法の重要性を示すものである。イボタは葉にオレウロペインというイリドイド配糖体を変成物質の前駆体として蓄えていた。食害等により葉が破壊されると細胞小器官に局在している活性化酵素がオレウロペインと混ざりこれを活性化することにより、グルタールアルデヒド類似の構造を発生、リジンの側鎖のアミノ基と結合しタンパク質分子を架橋変性させ、必須アミノ酸のリジンが失われ栄養価が無くなる。これに対してイボタを寄主植物として専門に食べるイボタガ等の昆虫はグリシン等のアミノ酸を消化液中に分泌して変性活性を阻害・中和し栄養価低下を防いでいた。この結果は植物-植食昆虫間に化学物質による巧妙かつ熾烈な攻防関係が存在していることを示唆している。広食性蚕用人工飼料における桑葉粉末による成長促進効果は、低価格で市場から調達可能な牧草粉末でかなりの部分代用可能であった。また、牧草粉末を用いたサバクワタリバッタの人工飼料の開発も行った。
カテゴリ くわい わた

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